「機内Wi-Fi」サービスは危険がいっぱい

最近航空業界で普及が進んでいるのが、機内Wi-Fiサービス。これは衛星インターネット回線を利用しています。最近では機体にデフォルトで衛星からの通信電波の受信機が設置されている飛行機も作られるようになってきました。

スマートフォンの普及によってインターネットはどこでも接続できるものになってきています。空港はもちろんのこと、鉄道駅でも無料Wi-Fiを提供するところも増えています(蛇足ですがJRの無料Wi-Fiサービスは接続までが煩雑すぎて使い物になりません)。

飛行機内でのWi-Fiサービスは2015現在では有料、しかも割高。とはいえ、時代の要請からいずれ無料で提供されるようになるのではないでしょうか?

しかし、このような風潮に警鐘を鳴らすのがネットセキュリティーの専門家。

飛行機のWi-Fiサービスに潜むリスク

専門家は、機内のWi-Fiサービスはあまりにもセキュリティー面で脆弱だと指摘。そもそも不特定多数が使用する公共Wi-Fiは、地上で提供されているものにも脆弱性があるそうですが、それが機内ということになれば、飛行機が飛んでいる間利用者はずっと空の上の密室に閉じ込められているようなもの。いわば空き巣に自分が外にいることを確実に知らせているような状態であるがゆえに狙われやすいのだとか。

空の閉鎖空間である飛行機の中で脆弱性があるネットに接続した場合、まず心配しなければならないのが接続に使った機器にある個人情報の流出。特に共有フォルダなどに重要なファイルを入れていると危険。また、機内でクレジットカードナンバーなどを入力した場合、カードの番号を抜かれる可能性も。メールを送信すると、そのメールの内容を覗き見される可能性もあるようです。

機内でメールを送ったり、ましてやクレジットカードナンバーを入力したりしないという人でも安心はできません。単にwebサイトを閲覧するだけ、ネット接続が必要なゲームで遊んでいるだけでも、ネットに接続してさえいれば侵入できるハッキングツールも存在するとのことです。

そして、ハッカーは地上から侵入してくるとは限りません。同じ飛行機の中にたまたま居合わせたハッカーが、フライト中の退屈さにまかせて脆弱性を突いて侵入してくるかもしれないのです。専門家は、Wi-Fiを介したハッキングは近いほどやりやすいと言っています。

加えて、機内Wi-Fi回線自体はある程度の暗号化はされていても、そこを突破すると端末のOSにある脆弱性を突いて侵入されることもあるようです。

最も恐ろしいリスクは、もはや乗客個人の情報というレベルではなく、飛行機自体の乗っ取り。現在、飛行機の操縦は高度にコンピューター化されています。Wi-Fi回線が飛行機の操縦系統にも繋がっていれば、ハッカーはその気になれば地上にありながら飛行機のコックピットを占領し、さらに悪意があればテロに利用することもできてしまうといいます。

911同時多発テロはテロリスト自身が飛行機に乗っていて、コックピットを乗っ取って自爆テロを行いました。しかし、ネット回線を利用すればテロリストは自らは死ぬことがなく“安全に”テロを行うことができるようになってしまいます。

航空会社の対応は?

航空会社のセキュリティー対策は、まだまだ専門家を満足させられるレベルにはなっていないようです。それどころか、アメリカでは自分が搭乗した飛行機をハッキングし、脆弱性を報告した所、逆に逮捕されてしまったということも起こっています。

専門家は、機内Wi-Fiの安全性を高めるのはそれほど難しいことではないとしながらも、不正アクセスを監視するようなシステムを構築するならば、そのコストは乗客にかかってくるだろうと指摘します。そのコストが、利用料として利用者にかかるならばまだ理解できますが、乗客全ての運賃としてかかってくるならば納得できませんね。

もし機内Wi-Fiが無料で提供されるというようなことになれば、その分の費用はこっそりチケット代に乗せられているかもしれません。

一番の問題は機内Wi-Fiサービスを提供している航空会社が、そのようなリスクを利用者に周知していないということ。機内Wi-Fiのみならず、空港でも駅でも或いはスタバでもマクドナルドでも、公共Wi-Fiを使う大部分はセキュリティーの知識がない人たちです。そこにどれだけのリスクがあるかは理解していません。

機内Wi-Fiを提供するならば、そこにあるリスクも利用者に知らせる必要はあるはず。

機内Wi-Fiを使うなら

機内Wi-Fiを使う時は、今のところ自分自身でセキュリティー性を高める必要があるようです。

機内ではクレジットカード番号やパスワードなどは入力しないようにするのはもちろんですが、情報漏洩に有効な対応策としてファイルベースの暗号化というものがあります。これは、自分の端末の中にある全てのファイルを暗号化し、例えそのファイルが盗まれたとしても暗号を解かなければ開くことができないようにするというものです。

インターネットというのは、泥棒や強盗がひそむ治安が悪い町を歩くようなもの。貧乏人は狙われませんが、お金を見せびらかして歩くような人は狙われます。現実世界であればそれが視覚的にわかりますが、ネットの中は目に見えないのでわかっていないだけ。自分の身を守るためには自分がいる場所のリスクをよく知ることです。

まあ、飛行機自体が乗っ取られたらどうにもならないですけどね・・・

関連記事

おすすめ記事

ページ上部へ戻る