航空機は空飛ぶ高級レストランになれるのか!?

長い時間を狭い機内で拘束される国際線旅客機での旅だからこそ、「機内食くらい美味しいものを食べたい」とうのは、誰もが思うことでしょう。

その思いは、民間航空会社にとってはお客さんを得るための重要な戦略の一つ。それぞれの会社が工夫を凝らして、美味しく、そしてニーズにあった機内食の提供に取り組んでいます。

この民間航空機の機内食のランキングを行っているのが、アメリカで「食の探偵さん」で知られるチャールズ・プラトキン博士。

今年の調査では、2連連続でバージンアメリカ航空が見事ランキング1位を獲得しています。

バージンアメリカ航空で提供している人気機内食は「トラベルライトメニュー」と呼ばれるもので、身体に良い食物繊維たっぷりで女性に嬉しい310カロリーの「洋ナシのローストとルッコラのサラダ、アーモンドとイチジクのマスタードドレッシング和え」など、メニューを見るだけでよだれが出てしまうような料理がラインナップされています。

バージンアメリカといえは、格安航空券で知られる航空会社。

であるにも関わらず、お客のニーズに応えてヘルシーでおいしいものを提供しようとする姿勢は、着実に顧客獲得に反映されてきているのではないでしょうか。

また、ベストスナック第一位に輝いたのは、エアカナダ航空で、ちょっと小腹がすいたときにカロリー過多なスナック菓子ではなく、セロリや人参の野菜スティック&ディップなどの健康に気を使ったものを提供しているところが評価されました。

そして、辛辣なのが、ワースト一位に輝いたアレジアント・エアへの評価でしょう。チップスなどのジャンクフードばかりという機内食についたのは「恥を知れ!」という奇抜なタイトル。

実はアレジアント・エアは2年連続のワースト一位。前回もプラキトン博士に酷評されて機内食を見直し、26キロカロリーのカロリーダウンに成功したといいますが評価には及ばず、プラキトン博士の調査へも非協力的だったのだそうです。

こうして比較をしてみると、機内食における重要なファクターは「味」だけでなく、「ヘルシー志向」。お客さんの健康に配慮する気遣いがあることが大切なようです。

調査を終えたプラキトン博士も「最近はヘルシーフードの需要が高くなってきました。機内食にも同じ傾向があっていいと思います。今の機内食にはまだまだ改善すべき点があります。飛行機に乗る前にヘルシーなスナックを持参することをお勧めします」とコメントしています。

ヘルシー志向という客のニーズだけにとらわれることなく、自由な発想でお客さんを楽しませる機内食サービスを展開している航空会社もあります。

ラトビアの航空会社が2013年5月から始めた「機内食を自由にチョイスオーダーできるサービス」は業界初のサービス。

その日の気分で自分の好きなメニューを選ぶ楽しみを。航空機の中という不便な空間では難しいと思われていた、高級レストラン並みのサービスをウリにしています。

出発の24時間前までに注文をしなくてはいけないという制限はありますが、乗客は20種類のメニューとドリンクをWEB上で選択することができます。

エア・バルティックのWEBサイトで座席をオンライン予約する時に現れる機内食選択オプションにより、空のバーチャルトレイに好きなメニューや飲み物をマウスのドラッグ&ドロップで入れていくという手軽さやゲーム感覚も楽しいサービスで、もちろんメニューは栄養成分の表示のある健康にも気を使ったものばかり。

「ホットミール」「コールドミール」「朝食」「ベジタリアン」「キッズ」「ダイエット」「スペシャル」といったカテゴリーや、「ベジタリアン」「コーシャ」「グルテンフリー」「ラクトースフリー」などのオプョンも設けてあり、徹底的に乗客の好みとニーズに応える幅の広いサービスを展開しています。

ちなみに、料金は選択メニューにより異なりますが、例えば「ホットミール」なら魚のくし焼きかテリヤキサーモン、グリルポークステーキや鶏の胸肉などを7~12ユーロ(約870円~1500円)がチケット料金に加算されるシステム。

「自分だけの機内食をオーダーできるというサービスの可能性は無限大です。乗客は好きなものだけ機内食としてカスタムメイドできるのです。」と語るのはエア・バルティックのコーポレート・コミュニケーションのヤニス・バナグス氏。

従来の機内食のようにメインもサラダも決まっているセットではなく、メインもサラダも、パンでさえも自分の好みの組み合わせで楽しむことができるこのサービス。乗客にとっても機内食の可能性は無限大だと言えそうです。

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