フライト中に火災が発生!そんなときは・・・

万が一フライト中に火災が発生してしまった場合には、消火活動は自前で行わなければなりません。そのために、客室は勿論のこと、貨物室やエンジン、脚格納室や電子・電気機器類格納室などにも防火装置や警報装置が設置されています。

では、例としてエンジン火災が発生した場合を想定して、どういった警報が作動するのか、どのような緊急操作が行われるのかを見てみましょう。

エンジン火災が発生すると、操縦室ではベルが鳴り響き、同時にパイロットの目の前に設置されているマスター警報灯が点灯します。あわせてエアバスA330では、オーバーヘッドパネルにあるエンジン火災プッシュボタン内の赤色灯と、燃料元栓を制御するエンジン・マスター・スイッチ近くにあるエンジン火災赤色灯が点灯します。

対してボーイングB777では、エンジン・ファイヤー・ハンドルと燃料元栓を制御するエンジン・コントロール・スイッチが赤く点灯します。これらは炎が完全に鎮火するまで消えません。

ベルは会話に支障があるほどの音量で鳴り続けるため、火災が発生しているエンジンがどれなのかを赤色灯で特定できたら、マスター警報灯を操作してベルを停止させます。

エンジンの出力を下げても、エンジンを停止しても、なお火災がおさまらないときには、二次火災を防ぐために火災プッシュボタンを操作して(ファイヤーハンドルを引いて)燃料の元栓を閉鎖し、油圧装置への作動液の供給を停止させます。

同時に圧縮空気の抽出を停止して、消火剤を散布する準備を行います。それでもなお火災がおさまらない場合には、消火剤散布ボタンを押して(ファイヤーハンドルを回して)消火剤の散布を開始することになります。

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