増加する航空機リース需要に向けて大手商社が増資する背景にあるもの

近年、日本国内のみならず世界で格安航空会社(LCC)をはじめ、新興航空会社が新規参入し、事業拡大を続けています。

航空会社はある程度の運航便数がなければ黒字化できないといわれていますが、運航便数を増加し、事業を拡大するには自ずと航空機も増やす必要があります。

しかしながら、レガシーキャリアのグループ傘下などである場合を除き、LCCや新参の航空会社などは特に新規参入から数年間は資金力が乏しいケースが多いもの。

航空機メーカーから直接購入できるほどの体力もなければ、借入して保有するための与信を得るのも難しい状況にある上、無理して借入をしたところで業績が悪ければキャッシュフロー悪化などのリスクを抱える可能性があります。

2020年には世界を飛ぶ民間旅客機のうち約半分がリース機になる見通しとなっており、航空機リースの分野で首位を走るオランダのエアキャップ社やアメリカのゼネラル・エレクトリック(GE)のリース事業子会社などは保有機数を既に増やしています。

日本の大手商社も追撃する格好で、三菱商事ではグループ全体での航空機の資産保有を50億ドル(約6,000億円)へと2.2倍に引き上げるほか、三井物産はリース用のエンジンの資産保有額を倍増するとしています。

また、丸紅は100席強の最新小型機を新規に最大50機調達することとし、各社とも航空会社への航空機リースへ照準を定めているようです。

三菱商事子会社のMCアビエーション・パートナーズ、同社と長江実業集団(中国)の合弁会社で現在計66機、約23億ドル分の航空機を運用していますが、三菱商事はこれを2020年までに約50億ドル分まで増やしていく予定です。

現在はフランス・エアバス社のA320やアメリカ・ボーイング社のB737を中心にリースしていますが、ラインナップ強化のために中大型機であるエアバス350XWBやボーイング787なども調達していくことを計画しています。

併せて中古機の売却も進めることで、資産効率を高め、総資産利益率(ROA)で2%を安定確保していきたいと話しています。

三井物産は、アメリカのエンジンリース大手との合弁会社を通して保有するエンジンの資産額を約6億ドルに倍増させる計画です。

航空会社は定期的にエンジンの大々的なメンテナンスをする必要があます。

数ヶ月の期間を必要とすることから、その際の代替エンジンとして航空会社へ一時的にリースするため、GEやプラット&ホイットニー(P&W)社の小型~中型機用エンジンを調達することとしています。

丸紅が21%弱を出資し、筆頭株主となっているアメリカのエアキャッスル社は、100席強のリージョナルジェット機を新規調達する予定。ブラジルの航空機メーカーであるエンブラエル社と次期主力機であるE190(195)E2を最大50機発注する契約をこのほど締結。

同機は従来より燃費を16%以上改善していることが特徴のひとつとなっており、1座席あたりのコストを減らしたい航空会社向けにリース営業を強化していくとのことです。

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