妊婦さんが飛行機に乗る時に注意すべき事と航空会社の選び方

妊婦さんが飛行機に乗れるかというと、結論から言えば乗れます。ただし、ANAとJALは出産予定日から8日以上、28日以内の妊婦さんには医師の診断書、7日以内の妊婦さんには診断書に加え主治医の同伴を求めています。LCCの場合、ピーチ・アビエーションは出産予定日14日以内で医師との同伴を求めています。

ANAとJALは特に言及していませんが、ピーチ・アビエーションは妊婦さんの搭乗は推奨しないとしながらも、どうしても搭乗しなければならないときという条件をつけています。これは使用機材やシートピッチの違いなども影響していると思われます。ただ、妊娠期という非常に大切な時期は搭乗を推奨しないというピーチが一番親切ではないかと思います。

気圧の変化と血流

旅客機は通常機内を0.8気圧程度に保っています。気圧が低くなると血流が悪くなり、特に妊婦さんは影響を受けやすくなります。仮に体調が悪くなっても機内に対応できる医師などがいるとは限らない上、制限された条件で適切な処置ができるとも限りません。

また、血流の変化ということでいえば、体重が重くなる妊娠期は通常よりもエコノミークラス症候群を起こすリスクが高くなります。

そして、機内は湿度も10%程度と低くしてあるため、体内の水分が不足してそれもまた血流を悪くする原因となります。

リスクを避ける飛行機選びを

上記のリスクは航空会社や飛行機、あるいはシートの選択によって低減できる場合もあります。

まず、気圧についてはボーイング787に乗れば0.9気圧程度になっているので、他の機種に乗るよりも気圧の変化を受けにくくなります。ボーイング787はまた、機内湿度も他の機種より高めになっています。これは、カーボン素材を多用しているからこそ実現できたことなので、他の機種に対してボーイング787レベルの気圧や湿度を要求しても無理でしょう。

シートはシートピッチや座席幅が広いビジネスクラス以上を選ぶべき。JALの国内線に乗るならば、クラスJを選ぶのもありでしょう。ピーチ・アビエーションのようなLCCを使うのはまったくお勧めできませんが、それでも乗る場合は各社が準備しているシートピッチが広いシートを選ぶべき。

一番いいのは乗らないこと

出産予定日から29日以上であれば、医師の診断書がなくても搭乗できます。しかし、これは決して安全を保証しているとう意味ではありません。自分の体と赤ちゃんが大切なのであれば飛行機には乗らないこと。鉄道では行けないのでどうしても飛行機に乗らなくてはならない場合、鉄道で行けるところまで移動し、そこから飛行機に乗り換えるようにして、搭乗時間を極力短縮するように努めましょう。

また、目的地ではまず病院に行って体調をチェックしてもらうべきです。そのために目的地の産科の位置を把握しておいて、予約できるようであれば予約しておきましょう。

そのような対策をとらず、必要もないのに飛行機に乗り、安いからとLCCを選んでおいて母体や赤ちゃんに何か問題が起きたとすれば、それは誰のせいでもなく本人の責任です。航空会社に責任を押し付けるような愚かなことをしてはいけません。

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