限られた時間の中で安眠するには?
理想の睡眠時間は8時間とされていますが、現代の日本でどれだけの人が8時間以上の睡眠時間を確保することができているでしょうか?
10時に寝て6時に起きるとなると寝るのが早すぎる気がしますし、11時に寝て7時に起きると仕事に間に合わないなんて方も・・・。
その気になればできそうな気もしますが、普段の生活リズムを変えるのはなかなか難しいものですので、もはや8時間以上の睡眠というのは理想論になりつつあるのかもしれません。
みんな平等に与えられている1日24時間の時間の中で、少しでも不足している睡眠を補う時間が取ることができれば一番よいのではないのでしょうか。
出張や旅行などに行く場合、慣れないホテルや国際線の機内で眠らなければならない状況は常に発生します。
どこでも眠れるという方や旅慣れている方は問題ないと思いますが、
ホテルに泊まる場合、いつもの部屋と違って慣れないベッドや環境だと寝つきが悪くなるという方へ、うまく睡眠をとれる方法をご紹介します。
まずチェックインをして部屋に入ったら、窓を少し開けて換気をし、室内の温度を下げましょう。
小型扇風機を持ち込んで使用すれば、ホワイトノイズにより雑音をマスキングしてくれる効果があり、空気の循環もよくなって、しっかり眠れることと思います。
部屋に問題がある場合もあります。
日が高いうちにチェックインするとあまり気にならないものですが、いざ夜になって寝ようとするとエレベーターの音が大きかったり、通りに面していて外の騒音がうるさかったり、隣の部屋の人の話声がうるさかったり、いろいろ気になることが出てくるかもしれません。
気にしながら我慢するよりも、部屋を変えてもらえるようにお願いして、早く眠りにつくことが大切です。
ホテルでは全然眠れないという方は、ちょっと荷物にはなりますが自宅からシーツと枕を持参してみてはいかがでしょうか。そうすれば、いつもと同じ寝具の柔らかさや香りなどに癒されて、リラックスすることができるでしょう。
睡眠研究家のRebecca Robbins氏いわく「15分ぐらい寝がえりを打っても眠れないから、起き上ってベッドから出てください。でも照明は薄暗くしておき、部屋の中を歩き回ったり、軽くストレッチしたり読書をしてみてください」とのことです。
焦って眠ろうとしないことも効果的なのかもしれません。
次に、海外旅行などで国際線のロングフライトに乗るときは、旅先での行動に備えて機内ではゆっくり体を休めたいものですよね。
ファーストクラス・ビジネスクラスのフルフラットシートでくつろげるのであればいうことはありませんが、エコノミークラスの狭い座席で快適に過ごすには工夫が必要です。
まず、ゆっくり寝ることを重視するなら搭乗する便が決まったタイミングで窓側の席を予約しましょう。
窓に寄りかかって眠ることができますので、ロングフライトでは重要です。
もし良い席がなく真ん中の席になってしまったら、ネックピローを準備すれば首が支えられるため、横の人にもたれることなく眠ることができます。
当日はゆったりした楽な服装で搭乗するのがよいでしょう。ストレッチのきいたものや締め付けのない服を選ぶのが最適と思われます。
海外出張の場合でも、スーツやビジネスシューズ、ヒールの高いパンプスは手荷物に入れて、到着してから空港で着替えてしまえば済むことです。
しわ伸ばしスプレーも一緒に持っていきましょう。
そして、意外かもしれませんが、当日は食べ物に気をつけておくとよいと思います。
辛いものなどの刺激物や2杯以上のビールは胸やけの原因にもなりますので、安眠の敵です。おなかにやさしいものを食べてフライトに臨みましょう。
乗り物酔いを防止の薬で眠くなる成分が含まれているものもありますので、そのような薬に頼るのもよいかもしれません。
ここまで充分に準備をして臨んだとしても、出発便が欠航したり大幅に遅延したり、また乗り損ねたりして空港で夜を明かさなければならなくなることもあるでしょう。
そのような場合は、何よりも安全を第一に考え、静かで薄暗い場所で休むのは避けて、係員がいるカウンターなどの近くの明るい場所で盗難などから身を守りましょう。
所持品にはできるなら施錠をして、自分の近くに置くようにします。他の人の通行の邪魔にならないように、壁と自分の体の間に置くのが望ましいです。
空港によっては折りたたみ式の簡易ベッドなどを用意している空港もあるようですので、訊いてみるのもよいかもしれません。
また、気温の変化に対応できるように重ね着などをしておくとよいでしょう。
眠ってもいい環境で眠れないときもあれば、寝てはいけない環境なのにものすごく眠いということがあります。ランチの後、1時間ほどたった頃に、どうしようもない睡魔に襲われたことがある方は多いと思います。
このような場合は、無理して目をこじ開けているよりも、仕事の隙間をみつけて昼寝の時間を取った方が効率が良いでしょう。
まぶたが吸盤のようにくっつき、デスクで1秒でも目を開けているのが辛くてたまらないと感じるときは、仕事中にタスクの隙間をかいくぐってでも昼寝をする必要があるといえるでしょう。
職場は仮眠を取ることに理解があるでしょうか?
5分~10分眠気と闘いながら、ただデスクに座っているよりも、その時間を仮眠にあててスッキリしたほうがその後の仕事の効率も格段に上がります。
それはわかっていても、就業時間中に昼寝をしてもいいよと認めてくれる上司はなかなかいないでしょう。であれば、昼休みの時間帯を使って少しでも仮眠にまわせるようにするとよいかもしれません。
昼休みに仮眠を取ることを決めたら、昼寝にふさわしい場所を見つけましょう。
デスクの上で寝るのは落ち着かないですし、かといってラウンジのソファや会議室などで寝るのは人の目が気になります。備蓄品倉庫やロッカールームなどがあれば、そこを使うのがよいでしょう。
次に、うっかり寝過ぎてしまわないために、目覚ましをセットしましょう。
昼寝は20分~60分くらいするのが、睡眠サイクルが一番深く、疲労回復すると言われています。
国立睡眠研究所に勤務する環境学者のNatalie Dautovich氏は「Fast Company」でのStephnie Vozza氏との対談で、「短い昼寝をすると注意力が鋭くなり、スキルが発揮しやすくなりますし、目覚めもすっきりしています」と語っています。
短い昼寝をすると問題解決能力や創造力が高まるとのことです。
眠らなければならないときや眠ってはいけないとき、体がどうしてもついていかないということはよくあります。気分的にもっていくよりも、むしろ外部環境から整える方が上手くいくのかもしれません。