旅客機に乗ると、お酒の酔いが早くなる理由とは?

旅客機の機内は23~25度くらいの快適な温度に保たれていますが、一般家庭で使われているようなエアコンはありません。

旅客機の空調には、エンジンが利用されます。

まずエンジンから高温の圧縮空気を抜き取り、それを冷たい外気と熱交換させてから、断熱膨張により、さらに冷却。その空気を適温に調整してから、天井に近い送風口からキャビンに送り込んでいるのです。

ですが、ただ機内に新しく空気を送り込んでいるだけでは、機体が風船みたいにどんどん膨らんでしまいます。余分な空気を外に逃がす装置も必要です。旅客機には、胴体の後方部分などに「アウトフローバルブ」と呼ばれる小さな弁がついています。

そのバルブの開閉により、外に逃がす空気の量を調整し、機内の気圧をコントロール(与圧)しています。私達の身体には、地上では常に1気圧の力がかかっています。同時に、身体の内側からも1気圧で押し返す力が働いているので、それでちょうどよくバランスがとれています。

でも、旅客機内の気圧は、機体の構造の関係で、1気圧にできません。高度1万メートルの上空では、機内の気圧は0.8気圧程度に保たれています。機内の気圧が0.8で、身体の内側に働く力は1気圧ですから、身体の内側の空気は外に出ていこうとします。その刺激で、耳の鼓膜が揺らされて、耳が痛くなるのです。

このような時は、ぐっとつばを飲み込むのが効果的です。

客室乗務員が機内でアメを配るサービスを行うのは、アメをなめることで一緒につばを飲みこんで、鼓膜を刺激して耳の痛みを解消するという目的があるのです。

ところで、乗物酔いを警戒して、乗物の中でお酒を飲む人がいます。

アルコールで気分よく寝てしまえば、乗物酔いになる心配がないからと飛行機でも試みる人がいますが、あまりおすすめできません。気圧の低い飛行機内では、地上の数倍、酔いの回りが早いのです。

機内で酔って暴れてしまい、空港警察に連行される人の多くは、酔っていた間のことを記憶していないくらい、悪酔いしているそうです。

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