妊娠中に飛行機に乗るのは大丈夫?
普段から仕事や旅行などで飛行機を使う機会が多いと、妊娠した時どうしよう?と不安になりますよね。妊婦さんはお腹の赤ちゃんや母体に影響を与えることについては、どんなに些細なことでも心配になるものです。
妊娠初期やつわり時期に飛行機に乗ることは避ける方が多いと思いますが、様々な理由によりどうしても飛行機で移動をしなければならない方もいらっしゃるでしょう。
インターネット上の質問サイトでも「妊娠初期に飛行機に乗っても大丈夫でしょうか?」という質問をよく見かけます。実際に妊娠初期に飛行機に乗ることに伴うリスクや気をつけるべき点とはどのようなことがあるのでしょう?
飛行機の機内は地上とは大きく異なり、決して良好な環境とはいえません。
妊娠中の方は特に万全な体調でなければ、多かれ少なかれ母体へ負担がかかるでしょう。
機内で発生するかもしれないリスクは、例えば機内の気圧変化や酸素濃度、湿度低下などによる体調への影響、つわりがひどくなった場合の対応、万一出血した場合の対応、エコノミークラス症候群や放射線の影響などがあげられます。
これらのリスクの中でも多くの妊婦さんが心配しているのが放射線のリスクについてです。放射線は宇宙から降り注いでいて、高度が上がれば上がるほどその影響が大きくなるということは事実です。
ただし、「産婦人科診療ガイドライン産科編2011」によると、妊娠初期の被ばくは50mSv未満であれば胎児の奇形発生率に影響しないとのことです。
例えば東京-ニューヨーク間のフライトを往復した場合の被ばく量は0.2mSv程度とされていますので、飛行機に乗ることによる赤ちゃんへの影響は考えにくいといえるでしょう。
妊娠していると知らずに飛行機に乗ってしまった・・・という方もいらっしゃると思いますが、体調の悪化もなく目的地に到着されているのであれば、「特に気にする必要はない」といってよいでしょう。
次にどうしても妊娠初期に乗るざるを得ない場合に最低限気をつけるべきことは、長時間のフライトを避ける、つわりの対策をしっかり行う、機内で楽に過ごせるようにできる限り広めの席を予約するなどです。
ちなみに、妊娠中の搭乗については医師の診断書が必要な場合がありますので、各航空会社に事前に確認してください。
診断書が要らない場合でも、切迫流産気味の方や子宮頚管無力症がある方、貧血がひどい方などは必ず主治医に相談しましょう。
妊娠中はつわり以外にも体調の変化が出やすく、普段から飛行機に乗り慣れている方でも違和感を感じる方が多いものです。
特に妊娠初期は体調面や精神面でも不安定になりがちでもあります。安定期に入るまでは飛行機に乗るのは避けた方が無難ですが、どうしても乗る場合でも自分自身の体調には充分注意しておきましょう。