ボンバルディア「Cシリーズ」が2015年就航へ

カナダのボンバルディア航空の系列会社であるボンバルディア・コマーシャル・エアクラフトは、2014年9月9日、カナダ・ケベック州ミラベルにある同社の施設で、系列会社ボンバルディア・エアロスペース社が開発した旅客機「Cシリーズ」の飛行試験2号機(FTV2)で飛行試験を行いました

この飛行試験は、2014年3月に発生した飛行試験1号機(FTV1)のエンジントラブルが地上整備試験中に発生したことを受け、中止していた飛行プログラムが再開されたものです。今回は前回のエンジントラブルの詳細な報告、分析が行われ、ボンバルディアとエンジンを開発したプラットアンドホイットニー社がその問題に対処した後、FTV2による飛行試験が行われています。

「Cシリーズ」はボンバルディア・エアロスペース社が開発した100~149座席の旅客機のシリーズで、最先端技術・先進素材・最新の空気力学を取り入れて設計されています。それにより「Cシリーズ」は柔軟な運行性能により燃費を20%節減、運行コストが15%向上しました。

また、広い機体の客席は快適で、環境や騒音に対する影響も最小限にとどめています。「Cシリーズ」のうち、110人乗りの標準タイプであるCS100は、様々な航空会社の運用に合わせて、都市空港はもちろんのこと熱帯から高地の空港まで柔軟に活用することができます。

130人乗りのCS300はマイルコスト(1フライトあたりの収益性)は乗客150名までのサイズの旅客機としてはトップクラス。短距離の国内路線から、大陸を横断する長距離路線まで幅広い路線で運用できます。デフォルトでは130座席ですが、座席数追加オプションにより最大で160座席まで設置可能です。

ボンバルディア・エアロスペース社のロブ・デュワー副社長兼ゼネラルマネージャーは、2006年に計画が凍結されていたCシリーズが再び飛び立つ姿を見られたことに喜びをあらわし、1万時間以上の地上試験と飛行試験を繰り返し、燃費や推進力はプラットアンドホイットニー社が提示した仕様以上、かつ排ガスや騒音を抑え環境へ与える影響も少ないと自信をのぞかせました。

Cシリーズはルフトハンザ航空、リパブリック・エアウェイズ、大韓航空、ガルフエア、エア・バルティック、イラク航空の他、中国の航空機リース会社も発注。確定分だけで203機、発注コミットメント(発注の確約)を含めると513機の受注となっています。

Cシリーズの就航は2015年後半に開始される予定です。

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