美味しい機内食を提供する「ギャレー」とは?

離陸して一時間もすると、機内にはいい香りが漂ってきます。

最近では、機内食もレストラン顔負けの美味しいものがそろっていますから、長距離フライトのなによりの楽しみと言ってもいいくらいです。旅客機でレストランの厨房に相当するのは「ギャレー」で、小型機では2ヵ所、大型機では5~7ヵ所くらい設置されています。

機内でサービスする食事の貯蔵・温め・配膳・片付けなどを行うところで、作業に必要な機能がコンパクトに収まっています。ここで機内食の準備をしてから、客席に提供するわけです。

旅客機内では火を使いませんから、ギャレーでも火を使って調理をするわけではありません。機内食はほとんど調理済みの状態で、乗客の人数分の食事が出発空港に用意されてあって、それが旅客機に積みこまれます。ギャレーではその料理を温めて提供するのです。

これは、機内食を専門に作るケータリング会社があるのです。そこであらかじめ乗客の人数分の食事を調理し、調理しおわった食事をトレーにセッティングしたら、台車のついたカートにセットします。

機内食はその状態で、旅客機が出発するより前に、すでに空港で用意がされているのです。

離陸後の旅客機のギャレーでは、食事の時間に合わせて、客室乗務員がカートのスイッチを入れます。すると、トレーの下の加熱板に電気が通じ、料理が温められるのです。温めが終了してから、乗務員がそのカートを押して、飲物などと一緒に客席まで運んでくれるわけです。

そういう便利なカートが出来る前は、カートからひとつひとつトレーを取り出して、オーブンで温めていたのだそうです。そのころでも、満席の大型機なら乗客は400名近く。食事の時間は大忙しだったとのことですが、旅客機の大型化が進むのと共に、ギャレーも進化してきたわけです。

現在のギャレーには、電子レンジにコーヒーメーカー、食事後のゴミを圧縮処理するトラッシュコンパクターなども装備されています。

それに、一流ホテルやレストランのシェフとタイアップしてメニューを作るエアラインも増えてきました。腕利きシェフの自慢の味を、上空でも楽しめるようになったのです。

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