もし旅客機の座席を選べたら、こちらを・・・

日本と行き来する国際線の多くは満席のことが多く、乗客が座席を自由に選ぶことはなかなかできません。それでは乗客には全く選ぶ機会がないのかというと、可能性はゼロではないのです。こればかりは、その時々のフライトの状況によります。

もし選べるなら、静かな座席にしたいという方には、主翼より前にある座席が、比較的静かでお勧め。ファーストクラスやビジネスクラスなどが客室の前方なのも、それが理由です。

主翼付近の席は、わりとエンジンに近いので音がします。トイレの近くは人の出入りが多く、客室乗務員が機内食などの準備をするキッチンの近くも、食器などの音がしてくるものです。

ただし、主翼付近の席には「揺れにくい」という利点もあります。左右の主翼はひとつづきにつながっているので安定しているため。乱気流による揺れが最も起こりにくい席で、乗り物酔いしやすい人にはお勧めといえます。

ほかにお勧めなのが、エコノミークラスでありながら、足元に広い空間が確保できる「特別席」。スクリーンなどがあって、前が壁などになっている座席です。この座席を「バルクヘッド」(bulkhead)といいます。子ども連れの乗客に、優先的に割り当てられることが多いものです。

かわったところでは「エグジット・ロウ」(exit row)、別名「非常口座席」と呼ばれる座席があります。

乗降用に使われる出入口ドアを含め、旅客機には数カ所の非常口が設けられていますが、ここは緊急脱出用に使われるドアのある場所で、そのため他の座席よりも、広いスぺースがとってあるのです。ただ、希望すれば誰でも座れるという場所ではなく、いざというときは客室乗務員の指示に従い、乗客の避難・誘導を手伝える人のみ、とされています。

18歳未満の子どもや、国際線においては英語力が乏しい人には選べない場合があります。

なぜなら、非常口座席に座った乗客には、

「客室乗務員が非常口を開放するまでのあいだ、他の乗客を制止する」
「脱出シュート下で、あとから降りてくる乗客をサボートする」
「乗客をすみやかに機体から離れるよう指示する」

などの、行動がとれることが求められるからです。次のフライトで、もし座席を選ぶ機会が訪れたら、ご参考までにどうぞ。

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