あまり世間には知られていない、囚人護送用飛行機の存在

座席のピッチが狭く、足も伸ばせず身体を動かすこともままならず、窓側であればトイレに行くのも一苦労。そんな3人掛けの座席配置のことを、エアバス社では「プリズナーズ・シート(囚人席)」と呼ぶそう。

超巨人機A380の誕生は、昔からこうした座席配置を採ってきた同社のワイドボディ機の不自由さ解消が一因であるとされています。確かに、狭いイスに囚われて自由を奪われてしまうというところから、このネーミングは、まさにいいえて妙という感じ。

しかし、ここでご紹介するのは、囚人は囚人でも、いわゆる「本物の方々」のほう。米国には、「Jp ATS (Justice Prisoner & Alien Transportation system)」という航空会社があります。

これは、1995年に、米国執行官サービス(US Marshalsservice)と入国・税関取締局(Bureau of Immigration and Customs Enforcement:ICE)によって誕生したエアラインで、囚人や隔離者の輸送を専門としています。

政府の運営による航空会社としては米国唯一の存在で、ベースはオクラホマシティに位置。国内外のおよそ40にもおよぶ都市を定期的に運航しており、年間約30万人もの囚人たちを輸送しているとか。

この数字、一般のコミユー夕ーエアラインと比較しても、かなり大規模なものとなるから驚き。保有している機種は全部で18種あり、ビジネスジェットなどの小型機から、今では珍しいダグラス社のDC-9-15シリーズなど。さらに大型機では、同じくダグラス社のMDー80シリーズやボーイング727シリーズがメインで活躍しています。

輸送機の機体には、かろうじて尾翼付近に小さな星条旗のプリントがある以外は、会社名などはいっさいありません。確かに、輸送するモノがモノだけに、アピールの仕方も難しいというところではあります。

それなりの「経歴」がなければ乗れないこのエアラインは、「ぜひ!」とお勧めするわけにもいかないシロモノ。万一乗客となった場合、当然、他の飛行機には乗れなくなってしまうことに・・・。一生乗りたくない、なんとも特殊なエアラインであることは間違いありません。

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