長距離便パイロットの休憩方法とその時間

離陸したジャンボ機はしだいに高度を上げていきます。管制塔から許可された巡航高度に達すると、機体は水平になり、エンジンの推力も落ちてコクピット内も静かになります。パイロットが離陸の緊張から解放される瞬間です。

機長と副操縦士のふたり乗務のときは、まだ休息に入れませんが、東京~ニューヨークや、東京~ロンドンといった長距離便の場合、途中で機長が交代するため、もうひとり機長が乗務します。そのときは、巡航高度になるとオブザーバー席(試験飛行などでは検査官が座る)に座っていた待機の機長が休息に入ります。その休息場所がコクピット内、操縦席の後ろに設置されたべッドです。これがあるだけでパイロットの心身の疲労はとても癒されます。

乗客の目に触れない、このベッド・スぺースが取れるのも、機体が大きく、コクピットも広いジャンボ機ならではのことです。

休息時間は航空会社や路線によって違うのですが、たとえば待機のB機長が4時間休息をとったあと、操縦していたA機長と交代して操縦席に着くと、操縦していたA機長がベッドで休息に入ります。4時間後には再びA機長が操縦席に戻ると、B機長は副操縦席に移り、副操縦土が休息をとります。

機長が交代するのは、長時間操縦すると事故を起こしやすくなるからで、アメリカの連邦航空局の調査によると「10時間以上操縦すると事故率が65%まで上がる」ことがわかっています。13時間を超えるとさらに事故率は上がるそうです。

欧米では特にこのことに神経質で、1週間の操縦時間を30時間や55時間などに制限しています。その他の国も、制限時間を決めていなくても欧米にならって交代勤務にしているケースが多いのです。

かといって休息時間を8時間も取ることは少ない。というのは、パイロットはそんなに長く眠れないのです。特に日付変更線をはさむ飛行では平均5時間ぐらいしか眠れない、というデー夕もあります。また眠りすぎると操縦席に戻ってから眠くなる可能性か高まります。パイロットがベッドで休めるのは4~5時間ぐらいです。

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