旅客機の乗り降りが「左」だけなのはなぜ?

フライトに慣れている乗客の中には、旅客機が空港に着いたら、少しでも早く飛行機から降りたいからと、左側の席を選ぶ人がいるようです。これは。旅客機の乗客の乗り降りは、必ず左側のドアで行われることになっていて、それを知っているからでしょう。

たとえばボーイング777-300なら、ドアは左右に5カ所ずつで、計10カ所にあります。ですが、乗客の乗り降りに使われるのは左側だけ。しかも前方の1カ所か2カ所だけです。

ですから、空港ターミナルと旅客機をつなぐボーディングブリッジは、機体の左サイドのドアに装着されます。それ以外の左右のドアは、ケータリング会社が機内食を運び込むために使うなど、業務用に使われているものです。

また、ドアは非常時の脱出口としても使われます。アクシデント発生から90秒以内に全乗客の脱出を完了しなければなりませんから、それを考慮して数や配置が決められているのです。

ところで、旅客機の左側から人が乗り降りするようになったのは、船の世界の古い習慣が関係しています。船は昔、船体の左側を港に向けて接岸するのが習わしだったのです。右側の船尾に舵板が取り付けられていたので、右側を港に接岸させたのでは、その舵板が邪魔になってしまうためです。

また、古いタイプの船では、スクリューの回転方向の関係で、左側からの接岸のほうが簡単だったという都合もあったようです。そうした理由から、船は左側を港に向けて接岸し、そこから乗客の乗り降りや荷物の積み下ろしを行うようになりました。

ですから、船の左側を「ポートサイド」と呼ぶ習慣があります。

旅客機が登場するまで、船は長い間、人や荷物の海外への輸送の主役でした。ですから、旅客機で使われる言葉や習慣には、船に影響されたものが数多くあります。

機体のことを「シップ」、機長を「キャプテン」、客室を「キャビン」と呼ぶなど、いずれも船での習慣に倣ったものです。

「エアポート」も文字通り、「空の港」という意味です。

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