旅客機の心臓は、意外と(?)デリケート

旅客機のエンジンは、人間でいえば心臓にあたります。このエンジンが停止すれば、ジャンボ機は飛べません。エンジンは4基ありますから、1基くらい停止しても墜落しませんが、4基すべてが停止したら、話は別。

エンジンは巨大なので、なにがあってもびくともしない感じがしますが、小さな鳥がエンジンに吸いこまれただけでもトラブルが起きます。内部のブレードが壊れたり、傷ついたりして、エンジンには大きな負担ですし、吸いこまれた鳥もかわいそうということになります。

エンジンの整備については、故障を発見して整備するというより、故障を発生させない「予防整備」が鉄則です。エンジンはどの段階の点検でも必ずチェックされ、とくに飛行前や飛行後の点検では、鳥や異物がエンジンの中に吸い込まれていないか、慎重に点検されます。

ジャンボ機ではさらに一歩進んだ「信頼性管理方式」という整備システムを採用しています。

点検には、問題を発見してから対応する、一定期間ごとに点検しておく、いろいろなやり方がありますが、常時監視という考え方があり、これは「オン・コンディション整備方式」と呼ばれるものです。エンジンの状態が規定の安全水準を下回る場合、ただちに原因を発見し、対応します。

約6時間かけて行なわれる「A整備」。

補助翼やタイヤブレーキとともに、エンジンは傷みやすいパーツとして注目され、細かく点検されます。ボアスコープやラジオアイソトープなど、精密な検査機器を使って内部検査したり、エンジンオイルの化学分析をすることによって運転データを収集、異常の発見に努めています。

5~10日間かける「C整備」、3~4週間かける「D整備」のときは、エンジンを機体から外してエンジン専門の整備工場に持ち込みます。レーザー光線を使ってブレードの高さや長さを測ったり、特殊な蛍光塗料を利用して、0.1ミリ単位の傷を探します。精密で、しかも細心の注意が必要な作業です。

ブレードのサイズは十数種類もある上に、エンジンの空気吸込ロから奥に向かって小さくなるように、順に並べて軸に装着されています。でも、それぞれのブレードのサイズはあまりかわりなく、サイズに差があるといっても、ごく小さい「差」です。点検と補修に必要なのは、手先の器用さや集中力となります。

異常がないか点検し、修理や整備を終えたエンジンは、修理後の性能を確認するための試運転を行います。これを「エンジンテストセル」といいます。離陸推力、上昇推力、巡航推力の3種類の推力を調べ、エンジンの回転数、排気温度、振動などをチェック、定められた性能を満たしているか確認するのです。

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