エアバス社のA380のエンジン改良が待ったナシの状況に・・・

スカイマークの経営が危ないことが知られるようになったのは、2014年にエアバス社のA380をキャンセルし、エアバス社から多額の賠償金を請求されるのではないかと報じられた時からでした。

その後エアバス社とは賠償金の減額で合意がなされたものの、スカイマークは結局2015年1月に経営破綻し、同年3月には株式の上場も廃止されました。

そもそもA380は、納入時期が遅れに遅れ、そのせいで大口受注のキャンセルをされたり、その上、会社幹部のインサイダー取引疑惑が発覚するなど、かなりいわくつきの機体でした。

スカイマークのキャンセルについてはスカイマーク自身の資金調達能力が原因でしたが、超高額の賠償金をふっかけられそうになったのも、そうしたエアバス社側の社内的な事情によるマイナス分を取り返そうとしたためだとも言われています。

現在のところA380の発注数が最多なのは中東のエミレーツ航空です。

キャビンが広く余裕あるレイアウトができるA380は、エミレーツ航空やエディハド航空、シンガポール航空のような高級路線をとる航空会社が、ホテルのスイートルームのような豪華なファーストクラスを用意していることで話題になることがあります。

しかしほとんどの航空会社では中型機が主流になっていて、A380のような大型機は運行効率が悪いと敬遠される傾向にあります。

特に航続距離が長いボーイング787系は人気であり、日本の航空会社ではANAが34機、JALが20機保有しています。日本はボーイング787の最多保有国です。

実は2014年のA380の受注数はゼロだったため、2014年末に2018年には生産が中止されるのではないかという報道も流れました。

エアバス社のブレジエCEOは、大口顧客のエミレーツ航空から強く要求された新型エンジンへの交換を検討中であり、2018年以降にエンジンを換装した「A380neo」の製造を示唆し、製造中止を否定しています。

140機ものA380を発注しているエミレーツ航空は、燃費がよいエンジンへの換装を勧めるよう圧力をかけていましたが、明確な改善策をいまだに提示できないでいるエアバス社にしびれを切らしたのか、このほどさらに独自にロールスロイス社と契約してA380用のエンジンを発注。

自社保有のA380のエンジンと交換することを発表しました。これはエアバス社へのさらなる圧力になると見られています。

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