世界中の飛行機が整備に来る空港とは?

航空会社にとって、旅客機の点検は、時間やコストや、他にもさまざまな負担を強いるものです。

毎日の点検のほか、数ヶ月や一年で行うような点検もありますが、5年に一度くらいしか行わない、最も大がかりな点検となると、特にコストが高額になってきます。

旅客機を残らず分解して、点検してから組み立てなおすような、大規模なばかりか、非常に細かい整備まで行うものです。

だからといって、点検の回数を減らすことはできません。

充分な点検を行い、確実な整備をしなければ、フライトにおいて最も重要な「安全性」が維持できないからです。タイ政府は、航空会社のこういった問題に注目し、2003年「タイ航空工業」という整備専門会社を設立しました。

政府の狙い通り、この会社のビジネスは大当たりでした。

日本の航空会社まで、自社だけで行っていた旅客機整備の一部を、タイで行うようになりました。人件費などの関係で、むしろタイに外注したほうが安上がりですし、整備専門会社ですから、技術も確実です。

タイのドンムアン国際空港では、中国、シンガポール、ニュージーランド他、世界のさまざまな国から飛んできた航空機がずらりと並んで、タイ航空工業が点検してくれるのを待っています。

いまや「世界の整備工場」ともいえる役目を果たしているのです。

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