リニア中央新幹線は中部国際空港の利便性を向上させる切札!?

いよいよというかやっとというか、2027年の開業を目指しリニア中央新幹線の工事が始まりそうです。とりあえず建設されるのが品川-名古屋間。品川駅と名古屋駅を含んで6つの駅の路線を最短で40分で走ると言われています。東海道本線で品川から藤沢に行くぐらいの時間で、名古屋に着いてしまうんですね。

今現在、JRと航空会社は国内移動の旅客に対し熾烈な奪い合いをしています。リニア新幹線ができるとその流れがさらに加速しそうです。

このリニア中央新幹線に期待をかけているのが、羽田・成田と関西国際空港の間に挟まれ、開業当初こそ「セントレア」という奇抜な名称で注目されたものの、今ではすっかり目だたない存在の中部国際空港とそれを擁する愛知県。

例えば品川駅を起点とした場合、品川から成田空港駅まで成田エクスプレスで最短70分。一方リニア新幹線ができると、品川-名古屋駅間40分+名古屋駅-名鉄名古屋駅までの徒歩5分+名古屋駅-中部国際空港駅間30分+中部国際空港駅-中部国際空港までの徒歩5分でおおよそ80分。

まあ、単純に到着までの時間だけで見るなら差は10分。待ち時間によっては、品川から成田までより、中部国際空港までのほうが早く着く可能性もあります。

というわけで、愛知県としては中部国際空港の利便性が上がれば首都圏からの利用客も見込めるのではないかと考えているんですね。

とはいえ、現在問題になっているのが名古屋駅についてからの乗り換えのわかりにくさ。まずJR名古屋駅から名鉄名古屋駅までがわかりにくい。そして、中部国際空港への路線がある名鉄名古屋駅には空港線の専用ホームがなく、3本あるホームに時間によってそれぞれ電車が来る。ということで、机上の計算では名古屋駅から空港まで40分の道のりも、実際にはもっとかかる可能性が大きいわけです。

これについては駅の改造や空港線専用ホームの建設などが検討されていますが、まだ検討段階。

さて、空港まで行く時間がスムーズになったとしても、首都圏住民にとって成田や羽田からも出ている航空路線に乗るためにわざわざ新幹線を使って名古屋まで行くメリットはありません。

そこで期待されているのが、第2滑走路の建設とそれに伴う空港の24時間化です。愛知県を中心とした東海3県と、経済団体はリニア新幹線開通を理由に、中部国際空港の筆頭株主でもある国に向け、第2滑走路建設に対する要望を出しました。

また、愛知県の大村知事は、2014年末に北海道新千歳空港への直行チャーター便を就航させるなど、日本進出に意欲的なインドネシアのガルーダ航空の幹部と会談。首都ジャカルタのスカルノ・ハッタ空港と中部国際空港間の直行便を2015年に就航させるという言質をとってきました。

このように、首都圏からの飛行機利用客を呼び寄せようと必死な愛知県と中部国際空港。しかし、最も問題になるのは名古屋までの運賃ではないでしょうか?首都圏住民はほとんどの場合、アクセスがよく路線も多い羽田空港でこと足ります。LCCを使う場合も成田で十分です。

それに、多少行くまでの時間が短くなったとしても「わざわざ名古屋まで行く」という心理を覆せるとも思えません。結局のところ「取らぬ狸の皮算用」なんじゃないかなと思いますが・・・。

関連記事

ページ上部へ戻る