預け入れ荷物の検査はもう必要ない?

2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ以降、国際線を利用する際、スーツケースおよび機内に持ち込む手荷物の中に入れることのできるものに、より厳しい規制ができました。

ナイフやハサミ、カッターといった刃物、花火などの火薬類はもちろん、100ml(g)を超える容器に入ったあらゆる液体は、航空機内への持ち込みが禁止されています。

100ml(g)を超える液体については、スーツケースに入れることは可能ですが、手荷物による機内持ち込みは禁止されています。化粧品なども、100ml(g)以下の容器に入れ、容量が1L以下のジッパーつき透明プラスチック製の袋に入れれば、手荷物として機内へ持ち込むことが出来ます。

また、液体というと飲料のみをイメージしがちですが、お味噌やゼリー、歯磨き粉なども機内持ち込みが禁止されており、対象となる液体物があると、保安検査場で放棄することになるため、事前によく確認する必要があります。

とはいえ、このような規制は、航空機の安全運航を確保するために必要なことです。そのため、出発ロビーでは、搭乗手続きをする前に預ける荷物の検査を受けなければなりません。ここでは長い列ができていて、長く待たされたことがある人も多いと思いますが、成田空港ではこの荷物の検査を受ける必要がなくなりました。

しかし、だからといって荷物の検査が行われなくなった、というわけではありません。搭乗手続きの際に預けられた荷物がベルトコンベアにのってコンテナへ搬送する途中で、検査をするようになったのです。

このシステムはインライン・スクリーニング(In Line Screening)方式というもので、成田空港の第1旅客ターミナル南ウイングに2006年6月に導入され、2008年春には第2旅客ターミナル、夏には第1旅客ターミナル北ウイングに導入されました。

インライン・スクリーニング方式とは、受託手荷物のセキュリティ検査において、爆発物検知装置(EDS:Explosive Detection Machines)を荷物操作システム(BHS:Baggage Handing System)に組み込むことによって、セキュリティ確認と荷物の仕分けを同時に行う方式をいいます。

これまで手荷物を預ける前に行っていたセキュリティ審査を、預けた後に行うこととなるため、搭乗手続きカウンターのフロントスペースに余裕を持たせることが可能となりました。また、預ける前のセキュリティ審査にかかっていた時間が大幅に短縮されました。国際線利用者にとって、この時間の短縮は特にメリットが大きいのではないでしょうか。

では、これらの預けられた荷物は、どこで検査を受けるのでしょうか。ANAを例に挙げると、カウンターでの搭乗手続き後、ベルトコンベアを流れている間に行われ、それと同時に、手荷物は目的の便ごとに仕分けされます。

このシステムは従来、搭乗手続きカウンターの手前にあった手荷物のX線検査に代わるものです。カウンターから航空機まで手荷物を搬送するベルトコンベアの途中に最新の高性能検査装置を設置し、自動的に検査を行う保安システムです。

出発ゲートの搭乗手続きカウンターで預かる荷物は、ベルトコンベアで階下に運ばれ、ベルトコンベア上の装置EDSが検査を行います。この装置は、コンピューター断層撮影装置(CTスキャン)を応用した機器で、米同時多発テロ以降、爆発物検査の精度を高めるために開発されました。

短時間でスーツケースの中身を調べ、爆発物や危険物、持込が禁止されているものなど、高レベルで検知できるそうです。

現在、すべての受託手荷物をEDSで検査するのは国内では成田空港だけだそうで、しかも使用するEDSは世界最新のモデルだそうです。

成田空港の1日の利用者は約4万人にもなり、多数の機器の保守メンテナンスや検査員の訓練には労力がかかるかもしれませんが、空港の保安レベルは高まったのではないでしょうか。

但し、利用者は預かり可能な手荷物の規定を事前に理解しておかなければなりません。

このシステムのメリットは、利用者が長いセキュリティー検査の列に並ばなくてよくなることですが、もし預けた手荷物の中に、検査で危険物と見なされたものが入っていた場合には、その安全性の確認の為に時間を要することがあります。

インライン・スクリーニングのセキュリティー検査で航空輸送禁止品等と認識された手荷物は、その持ち主の搭乗ゲートまで搬送され本人立ち会いのもと開けて検査されます。そして、安全を確認された荷物は再度飛行機に積み直します。

従って規定に抵触する疑いのあるものは事前に手荷物から取り除くように注意する必要があります。

しかし、一部のアメリカの空港では、現在、預ける手荷物に鍵をかける事は原則的に禁止されており、怪しい手荷物は本人の立ち会いなく、空港の係官が勝手に開けて検査することが許されており、搭載禁止荷物などが含まれていた場合は、勝手にその場で破棄されます。

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