LCCの成田参入で影響を受ける企業とは・・・

2012年にLCCの日本参入が相次ぎ「LCC元年」と呼ばれて以降、LCCの運航も安定し、乗客への浸透も進んできています。LCC利用者が増加する中で、LCCの拡大を事業成果に結び付けようとする関連事業の各社も熱い戦略を進めています。

2015年4月、成田空港に格安航空会社(LCC)専用の第3旅客ターミナルビルが開業しました。

第2旅客ターミナルビルがオープンした1992年12月以来、約22年ぶりの新規施設となり、この第3旅客ターミナルビルはLCC専用ターミナルだけあって、LCCやその乗客をターゲットにしたさまざまな工夫が施されています。

延べ床面積6万6,000平方メートル、旅客取扱能力年間750万人の収容力を誇るこの新ターミナルで、まず目に付くのは徹底したコストダウンぶり。

エアコンの効率を向上させるために窓の数が少なくなっていたり、本館と国内線の搭乗エリアを結ぶブリッジには空調設備すらないとのこと。

空港内の案内表示は通常大型の看板などが使用されていますが、このターミナルでは張り替えが簡単な布の横断幕が活用されています。

また、搭乗橋を設置せずシールで案内表示を行うなど、隅々に渡るコストダウン策を施した結果、既存のターミナルと比べると建設費の約4割が削減できたとのこと。

コストダウンにより空港セキュリティ対策の低下が懸念されますが、顔認証システムを導入することで、従来成田空港に入る前に検問を設けて実施していた身分証明証のチェックを廃止することができ、利便性が向上。

また、シンプルな施設設計としながらも、利用者への配慮も怠ってはいません。

LCCの多様な運航時間帯に合わせ、早朝便に間に合うようにフードコートは午前4時から営業開始、施設内の休憩も24時間受け入れるなど、LCC利用者に的を絞ってアピール。

空港ビルなどの直接航空に関連する企業以外にも、LCCの拡大に合わせた事業戦略を進めているところがあります。無印良品を展開する良品計画は、今回のLCC専用ターミナル新設コンセプトに同調したソファベンチ約400台を新ターミナルに導入しました。

このソファベンチは、1991年に誕生したロングセラーヒット商品「脚付マットレス」を進化させた新商品で、「待ち時間の長い空港で旅する人たちに快適さをお届けしたい」というのが狙いとなっているそうです。

同商品は一般向けに仕様を一部変更し、第3ターミナルの開港と同日から全国の無印良品でも発売されています。

また資生堂は、免税エリア「Fa-So-La DUTYFREE」に子会社「ザ・ギンザ」を通じて免税店をオープン。空港等で免税事業を行うトラベルリテールは、世界的な旅行需要の高まりを受け伸長傾向にあるとされていて、資生堂の国内トラベルリテール事業を運営し、全国の空港23施設に43店舗で展開する「ザ・ギンザ」は、既に成田空港第1・2旅客ターミナルビルに計8店舗の免税店を構えています。

今回オープンするLCC専用第3旅客ターミナルビルの店舗は、出国審査通過後の正面という絶好のロケーションに位置し、取り扱う商品もLCC利用者のニーズに合わせたグローバル展開のブランドを揃えています。

この店舗では資生堂専属の担当者として、美容の専門知識を得た「Fa-So-Ra DUTYFREE」の従業員が対応してくれます。

このほか、LCCの動向は空港内の事業者だけでなく、成田空港へ乗り入れる公共交通機関にも大きくな影響を及ぼしています。成田空港へのLCC参入は、当初は国際線がジェットスター、チェジュ航空、バニラ・エア、国内線がジェットスター、Spring Japan、バニラ・エアと絞られていますが、今後海外の航空会社が増えていくことが見込まれています。

これによって、JR東日本とともに成田空港へのアクセスの主力を担う京成電鉄が注目すべき存在に。京成電鉄は「第3旅客ターミナルビル」の開業に備え、2014年11月よりダイヤ改正を実施。都心方向へ向かう朝7時台のスカイライナーと早朝ならびに深夜に成田空港に到着する便の運行をスタートさせ、空港アクセスを強化しました。

さらに、LCCの機内の企画乗車券の販売を行うなどの販路拡大も順次行っており、まさに新ターミナル関連企業の本命と言えそうです。

LCCの路線拡大は、それを取り巻く企業各社の拡販戦略にも如実に反映される結果となりました。

関連記事

おすすめ記事

ページ上部へ戻る