空港で展示会?不思議なオブジェたちの謎

ヨーロッパでは展示場や美術館だけでなく、大きな公園やちょっとした広いスペースのあるところなど、街中でも、色々なオブジェを見かけることがあります。そのうち、その国を探し回らなくても、旅行客が鑑賞することが出来る場所として空港があります。

空港に展示されているオブジェも、各国で色々と特徴がありますが、日本では荷物受け取り場で、お寿司やその県の特産物などのオブジェが荷物と一緒に流れてくるところもあります。

シンガポールのチャンギ空港でも、母子をテーマとしたオブジェがいくつもあり、また、「動く雨粒型オブジェ」というものもあって、雨粒型のものが動きながら色々なものの形を作っていきます。

中には意外なものやユニークなオブジェを置いている空港もあります。

例えば成田空港で働くJALのあるベテラン整備士さんが作った、「ジャンボスクラップ部品人形」があります。名前だけを聞けば、特に変わったようなところはないようですが、実は廃棄物で作られているのです。しかも空港と関連のある、飛行機のエンジンです。

これは、新しい部品との交換作業が終わり、あとは廃棄されるのを待つだけになった、古いエンジン部品を眺めながら考え出されたものです。ジャンボ機の重要な一部として頑張ってきてくれたこの部品に、何とかもう一度生命を吹き込んでやることはできないものかと考えて、専門とする溶接技術を駆使して完成させたのが、取り外された古いエンジンブレードなどでつくった、メタル製のこのジャンボスクラップ部品人形なのです。

ジャンボスクラップ部品人形は、トロンボーン、サックス、ベース、ピアノ、バイオリン、フルートなど、オーケストラのパートに分けられてオーケストラ一団を作っています。それぞれの胴体部分は耐熱合金製エンジン部品で、頭部にはベアリングを、足にはボルトを使って接合されています。

奏者たちが乗っている台は、回転部分を扇形に切ってつくったタービンブレードで、製作者の柔軟な発想と感性がうかがえます。他にも車椅子バージョンなどがあります。

旅客機のジェットエンジンは、その可動部分のほとんどが消耗品です。定期点検でほんのわずかでも亀裂などが見つかれば、すぐに交換しなければなりません。しかし、それらはチタンなどでつくられていて、一つひとつがとても高価なのです。彼らにとっては、たとえ古くなっても愛着があり、そのまま廃棄するのは残念でならなかったのでしょう。

他にはアメリカ・アトランタ空港で、これもまた飛行機の廃棄部品で作られたペンギンが展示されています。

やはりどこの国でも飛行機に対する気持ちは同じなのでしょう。

私達の生活の中でも、洋服など布製のものであればパッチワークで何かに変身させたりすることは出来ますが、リサイクルできないけれど捨てることもできないものがたくさんあります。そんな人々の思いから、ランドセルを手のひらサイズまで小さくしてくれるお店や、捨てられる消防服やマットなどの色々な廃棄物からバックをつくる会社もあります。

空港には、このようなオブジェだけではありません。

ドイツのフランクフルト空港には、旅客機のエンジンを使用したソファーがあります。フランクフルト空港出発エリアAの上層階に2009年3月にオープンした「タワーラウンジ」にあり、実際に座ることができます。

エンジンの外装は、音が外に漏れない設計になっているので、逆に中にいる人には外の雑音がシャットアウトされます。ちょうど顔の位置の両側と真上には小型スピーカーが装備されており、リスニングサウンドが流れていて、それ以外の音はまったく耳に入ってこないそうです。

そして、丸い形を利用したシートは収まり感もよく、快適で、壁全面がガラス張りで設計されたラウンジからは、広いエプロンエリアの全景が一望できます。

他にもバーカウンターで有名な空港もあります。

スイスのチューリッヒ空港はターミナルの拡張工事が完了し、従来の使い勝手のよさはそのまま残し、他の施設が一段と充実しました。そのシンボルの一つが、全長240メートル、高さ40メートルの巨大なショッピングモール「エアサイドセンター」です。ガラス張りの開放的な空間に60店ものショップやレストランが入っています。

そのうちの一つに、スイスインターナショナルエアラインズ専用の新しいファーストクラス&ビジネスクラスラウンジもオープンしています。その中に、長さ28.6メートルという世界一長い空港カウンターバーも作られ、このカウンターが人気を集めています。

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