国内外の主要国際空港から市内までの距離と利便性の違い

海外旅行へ行く際に気になることの一つに、空港までのアクセスがあります。成田空港から出発するときには特に、空港まで行くのにも大変。

海外の主要空港では、空港から市内中心部まで、10分・20分というのは珍しくありません。ヨーロッパのウィーンでは直通列車で16分、普通路線の電車でも25分。

ドイツもフランクフルト国際空港から、フランクフルト市内へは鉄道やエアポートシャトルが利用でき、鉄道を利用すれば約20分で行けます。他のヨーロッパ諸国でもだいたい15分から30分の間で市内までアクセスできます。

ではアジアの国々ではどうでしょうか。

アジアの主要空港は、ヨーロッパに比べて市内まで距離がありますが、日本に比べるとアクセスは便利なようです。

例えば香港では、エアポートエクスプレスで空港から香港駅まで24分、九龍駅までは21分と、とにかく早いのが特長です。また、マレーシアのクアラルンプール国際空港は都心から50km以上離れていますが、最高時速160kmの高速空港アクセス鉄道を利用すれば28分でアクセスできます。

そして話題となったのが、中国の上海・浦東空港です。ここでは最高時速430kmで走るリニアモーターカーが開通し、約30kmをわずか7分20秒で結んでいます。

それに対して、日本の成田空港ではどうでしょうか。

日本の空の玄関口である成田空港は、都市から70kmもあり、アクセスの悪さが以前から指摘されていました。

これまでも、成田空港から都内まではいくつものアクセス方法がありました。例えば京成線特急で70分、成田スカイアクセスのアクセス特急で58分、成田エクスプレス59分、バスを利用しても70~80分と、他の海外各国から比べると都内まで1時間以上かかります。

ところが、2010年から京成線で新型のスカイライナーが導入されました。この新型スカイライナーは最高時速160kmで運転され、日暮里ー成田空港間を最速36分でアクセスできるようになりました。

車体のデザインは「風」、車内のデザインは「凛」をコンセプトとしてデザインされており、2010年・2011年と賞を受賞しています。

車内には、明るく清潔感ある間接照明と、高いドーム型天井で解放感と適度な落ち着き感を出し、客室とデッキの仕切りには透明感のあるガラス素材を活用することで、明るく広がりのある車内を実現しています。

また、床の模様は日本の伝統柄である市松模様をアレンジして波を表現しているそうです。そして座席シートは、人間工学に基づいた形状と、ゆったりとしたスペースを確保し、全席の脚台にACコンセントを設置しているため、パソコン等の使用が可能です。

さらに、トイレは多機能トイレの設計で、ベビーベッドなどが設置されており、小さな子ども連れの家族も安心して利用することができます。洗面所も、洗面ボウルはカウンターと一体化させ、足元の空間を広くとることで、車いすでの利用にも対応しています。

これまでJRの成田エクスプレスを主に使っていた人も、このスカイライナーの運行が開始されてからは、スカイライナーを使う人が多くなったのではないでしょうか。

確かにスカイライナーは、山手線で上野か日暮里まで移動しなければならず、面倒だと思う人も多いかもしれません。新宿駅からの時間を計算してみると、スカイライナー利用では、乗り換え時間を含めて1時間8分、成田エクスプレス利用では1時間20分かかります。

運賃を比べててみると、前者では2,590円に対し、後者では3,310円かかります。

こうしてみてみると、スカイライナーでは約12分早いにも関わらず、運賃はスカイライナーの方が安く済みます。遅くて安いのであればまだ分かりますが、早くて安いのであれば、スカイライナーを利用する人が多いのも納得できます。

JR東日本でも、京成スカイライナーに対抗し、それまでの成田エクスプレスに代わり、情報化や安全性、信頼性など社会ニーズの変化も勘案しつつ、振動防止装置などの新技術も採用した、E259系の新型成田エクスプレスを2009年に導入しています。

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