成田空港のこれ以上の機能強化には無理がないだろうか?

2017年の5月30日、千葉県の森田健作知事が成田空港近郊の騒音地域を現地視察しました。森田氏が千葉県知事に就任したのは2009年。2013年の知事選で再選されて2期目を務めているところですが、初当選以来8年経っての騒音地域の初視察となります。

森田知事がこのタイミングで視察を行ったのは、成田空港の機能強化のための夜間飛行制限緩和案が出ているため。

現在成田空港は、午後11時から午前6時までの7時間は近隣地域への騒音緩和のため、発着陸ができなくなっています。

羽田空港が再び国際空港としての機能を復活させて以来、成田の重要性が低下している背景には、単に首都圏からの移動時間の問題だけではなく、24時間稼働している羽田に対して、夜間は稼働できないという問題もあります。

しかし、日本政府が目指す年間の訪日外国人観光客数に対応するには、羽田だけではさばききれないため、成田も最大限活用しなければなりません。

今回出てきた規制緩和案は、夜間の離着陸規制時間を午前1時から午前5時の4時間に短縮するというもの。離着陸可能時間が現状より3時間増えれば、それだけ成田の利便性も高まります。

しかし、そこで問題になってくるのはやはり騒音問題。

近隣住民の中には、成田の機能が強化されればそれだけ地域活性化につながるとして、賛成を表明する団体ができている反面、当然のことながら反対を表明して緩和撤回を求めている団体もあります。

この件に関しては実際に騒音被害を受けている人たちがいる以上、反対者=反政府活動家などという幼稚なレッテル貼りをすることはできません。

現状でも強いられている我慢をさらにこれ以上してほしいから理解してほしいと言われてもそれは不可能でしょう。

結局のところ、政府のずさんな航空行政のツケが今になってまわってきているという形。

首都圏の空港機能を向上させたいのであれば、無理な成田強化ではなく、羽田のさらなる拡張や東京湾メガフロート空港の実現を目指すといった方向にいくべきではないでしょうか?

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