防氷装置をオンにして、着氷の危険から飛行機を守る技術

巡航中はオントップ(業界用語で「雲の上」の意味)だったのが、降下途中から雲中飛行になる場合があります。温度が低い状態での雲中飛行は飛行機に着氷する恐れがあり非常に危険なため、その対策が必要になります。

まず、ピトー管や静圧孔に着氷すると、速度計、高度計、昇降計が不正確になるだけではなく、ピトー管からの情報はFMS(飛行管理システム)などたくさんの装置に送られているので、フライト全体に重大な影響を与えてしまいます。そのため、雲の有無に関わらず常時電気ヒーターのスイッチを“オン”にしている上、フロントガラスも曇り止めや鳥などが衝突した場合の強度保持のため、常時電気ヒーターで温めています。

翼に着氷すると抗力が大きくなるため、予定した速度が出なかったり、予定巡航高度まで上昇できなかったりする恐れがある上、エンジン入り口に着氷すると、その氷が塊となってエンジン内部に吸い込まれてエンジンに大きなダメージを与えてしまう恐れがあるため、着氷が予想される場合にはエンジンの途中から抽出した高温の空気により、翼の前縁とエンジン入り口を内部から暖めて、着氷しないようにしています。

また、パイロットがもっとも恐れる雷雲には、着氷だけでなく強い揺れ、帯電、被雷(飛行機への落雷)、ヒョウなどの危険が隠れており、被雷すると大音響とともに夜間は目がくらむほどの閃光が走ります。

雷を受けた箇所は小さな跡がつく程度で問題はありませんが、放電装置以外から雷が空気中に抜けた場合には、翼端など機体の先端部分が破損することもあるため大変危険なのです。

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