最新型ジャンボ機の値引きっておいくらぐらい?

景気の低迷や失業率の増加など、先行きが不安な今の時代だが、そこで売上げを伸ばしているのが、デイスカウントストア。

世界中で、こうしたお店が続々と数を増やしています。日本を代表する、とあるデイスカウントショップは、所狭しと商品を山積みにする独自のスタイルにより、ここ10年ほどで売上げが20倍にもなっているとか。

では、航空機も不況の影響で、デイスカウント販売が真っ盛りかといえば、そんなことはありません。むしろその逆といえる状況。

航空機購入のしくみは、契約締結時に基本価格(ベースブライス)は決めるものの、その後の引き渡し時の支払い額は、契約時のままとなることはまずありません。実際に支払われる金額は、メーカーが取り決めた「エスカレーションファクター」と呼ばれる係数を掛けたものになります。

これは、毎年の物価上昇率などの予測からメーカーが算出した数値。つまり、メーカー側としては、景気の動向に左右されない、ある意味で絶対に損をしない取引が可能となっているのです。それが航空業界の現状。

しかし、こうした航空業界の特別な取引形態のなかには、買い手側の航空会社にとって有利なしくみもあります。航空機の値段は、発注する時期によって大きく異なります。では、中古でない航空機をいちばん安く買えるのはいつなのか?これがなんと、驚くことに新型機の構想が発表された、製造前の段階なのです。

最新機種がいちばん安いというのは、一般的に考えると、なんともお得という感じがします。ただ、この段階では、予定されている性能が出るか、さらには期日どおりに正しく納入されるかといった不明確な点が多々あるのも事実。こうしたリスクも含めて注文してくれる顧客は、メーカー側としては大歓迎。

このような最新機種初の顧客は「ローンチカス夕マー」と呼ばれ、メーカー側の大幅な値引きの対象となります。関係者によれば「3割、4割は当たり前、最大で5割以上も値引く」といいます。

以前、そういうフレーズのCMがありましたが、1機あたり200億円近い金額の買い物だけに、その値引き幅は巨額にのぼります。過去には、ANAが、世界でいちばん早くボーイング7E7のローンチカスタマーとなり、50機を発注。総額6600億円ともいわれる商談時の価格に対し、ボーイング社が破格の条件を出したことは確実。

また、近年では、リースという手段も増えています。専門のリース会社を使えば、毎年のリース料を払うだけで航空機が使用できるうえ、多額の購入資金も必要ないためです。

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