飛行機のブレーキの過熱は様々なトラブルの原因に

自動車のブレーキは「ドラム・タイプ」が大半。

車輪の内側にドラムが付いていて、さらにその内側にブレーキ・シューが取りつけられています。ドライバーが運転席でブレーキのペダルを踏むと、ブレーキ・ジューがドラムを押さえつけ、それによって制動するしくみ。

この構造では、制動中にどうしても摩擦熱が出るため、ドラム内の温度が上がり、それが原因でブレーキングする力を弱めるという弱点があります。

この欠点を補ったのが飛行機に使われている「ディスク・ブレーキ」

車輪と一緒に回るディスク(ローター)と、そのディスクを左右から挟み込むライニング(ステーター)で構成されています。「単板式ディスク・ブレーキ」とも言われ、自動車だけでなく、小型の飛行機に採用されることがあります。

中型や大型の飛行機では、「多板式」が採用されています。基本的な仕組みは「単板式」と同じなのですが、ディスクを3枚から6枚くらいに増やしてあります。

ジャンボ機も大型機用の「多板式ディスク・ブレーキ」が採用されています。

以前はスチールで造られていたのですが、ボーイング747-400のころから、カーボン(炭素繊維)を採用しました。

スチールに較べると、カーボンは非常に軽い素材です。全体で約800kgの重量軽滅につながり、着陸距離の短縮にも貢献。さらに、10人くらい乗客を多く乗せてもよくなったそう。

飛行機の場合、一日の間に何度も滑走路の走行を行っていると、まれにブレーキの使い過ぎで温度が上がり過ぎる場合も・・・。ディスク・ブレーキのディスクも、ライニングも、温度が上昇してしまい、それを放置すると高温の影響でタイヤ圧が上がります。状況によっては、それだけでタイヤがパンクしてしまうほど、高温になってしまいます。

ただし、普通に離発着をくり返したり、タキシングしたくらいでは、タイヤがパンクするほどのブレーキの使い過ぎに至ることはありません。

ブレーキの使い過ぎに注意が必要なのは、同じ飛行機が近くの空港へ往復をくり返しているような、短い路線。空港に着いたら、滑走路を走って止まる。少ししたら離陸して、少し飛んで、すぐ目的地の空港に着くので、滑走路を走って止まる。そこもすぐ離陸して、もとの空港に戻って、また滑走路を走って・・・と、何度もブレーキを使うことになります。

こういった場合、何か対策をしないと、タイヤの温度が上がる一方で下がる時間がなく、ブレーキをかける回数も多いのでより温度が上がるということになってしまいます。

ですから、短距離路線の飛行機では、それを見越して車輪に特製のクーリング・ファンがついています。

長距離路線なら、長時間のフライト中に充分タイヤが冷えるのですが、短距離路線のフライトではそうなりません。離陸してもすぐに目的旅客機の空港に着くので、タイヤが前の着陸で温度が上がって元に戻っていないのに、そのまま滑走路を走ることになりかねません。

温度が上昇すると、タイヤ内の圧力も同時に上昇することになり、タイヤがパンクしやすくなったり、さまざまなトラブルの原因となります。タイヤの温度管理が重要となっているのはそのためです。

関連記事

おすすめ記事

ページ上部へ戻る