離陸できないのはどんなとき?RTOとは

離陸決定速度(V1)とは、離陸を中止するか否かを判断する際に使う速度のことです。また、離陸中止のことはRTO(リジェクティッド・テイク・オフ)と呼んでいます。機体の速度が上がり、V1に近づけは近づくほど、RTOのリスクも上がっていきます。

そのため、テイク・オフ・ブリーフィングのときには、必ずRTOに関して確認を行います。

どういった状況であればRTOか、例として、V1以前に推力の急な減少を伴うエンジンの故障がある、エンジン火災や激しい損傷(シビアダメージ)が発生する、もしくは離陸警報装置が作動するといったような場合においてはRTO、それ以外の場合では離陸を行う、というような具合に確認をするのです。

離陸を中止する場合としては、エンジン推力の急減少が発生したときなどがあげられます。エンジン推力が不足していると、V1以前では残りエンジンで加速しても滑走路内でリフトオフできないことが考えられるからです。そのため、即スラスト・レバーをアイドル状態にして、離陸を中止することになります。

また、離陸警報装置が作動した場合にも、必ず離陸は中止されます。離陸警報装置が作動しているということは、フラップや水平尾翼などに不具合あって、離陸を続けると危険な状態にあることを意味しているからです。

このように、V1以前であれば、どんな状況でも離陸を中止している、というわけではありません。例として油圧ブレーキ関連の故障などの理由で離陸を中止すると、停止できない可能性もあるため、そういった場合にはとりあえず離陸したのち、ゆっくりと処置を実施し、着陸を行うという方法をとった方が安全です。V1付近では一般的に、離陸を続行した方が危険性が低いという考え方が基本となっているのです。

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