管制と連絡し、離陸許可が降りなければ飛べません!?

飛行機の出発まであと5分くらいという時間帯、パイロットはいろいろな人と会話して、気ぜわしくなってきます。航空整備士や客室乗務員と出発前の確認をしたり、地上の管制と連絡したり、やることが多い時間帯。

そうでなくてもパイロットの仕事は、「人としゃべる事」が多い仕事。

航空会社によっては、コミュニケーションや言葉を意識した「言語技術」の教育を行うところもあるほど。意見交換、情報の伝達、物語や要約、絵画の分析、他にも言葉に関する多くの分野について学びます。

出発の5分前くらいになると、地上の航空整備士から「こちらはグラウンド、エンジン・スタート5分前です」と連絡が入ります。貨物のコンテナの積み込みや乗客の搭乗も終わるころで、すべてのドアが閉じられると、客室乗務員が報告に来てくれます。

フライトプランはあらかじめ空港に提出しますが、ただ提出しただけでは、出発時間になったら離陸してよいとはなりません。

航空機の飛行方式はIFR(計器による飛行)とVFR(有視界飛行)の2つ。航空法で、IFRで飛行する航空機が管制空域を飛行する場合、フライトプランを承認される必要があるとされています。

ジャンボ機はIFRですから、フライトプランを管制から承認される必要があります。離陸の前に、まずそれをやらなければなりません。

それに、もっと単純な意味があります。空港を出入りしている航空機の数というのは、空港についてイメージされているよりもはるかに多いもの。

たとえば成田空港のB滑走路だけで、年間の離発着回数は約20万回。もっと多いという説もあります。単純計算で一日あたり550回、一時間あたり数十機の航空機の出入りがあり、滑走路の使用は分単位の世界。

使用許可をもらうというよりは、実際には周囲の旅客機の離発着と折り合うように都合をつけてもらい、滑走路の安全を確認してもらっている感じです。

<成田クリアランスデリバリ>

空港の規模にもよりますが、管制には部署がたくさんあり、部署によって担当していることが違うため、次々と交信相手が入れ替わります。

成田空港の場合、成田クリアランスデリバリ、成田グランド、成田タワー、成田ディパーチャ、成田アプローチなど。周波数はそれぞれ固有のものがあり、フライトの際は次々に周波数を切り替えて、必要な相手と交信していくことになります。

このケースでは、最初はクリアランスデリバリとと交信し、フライトプランの承認を要求します。

この時、フライト・プランはすでに提出ずみです。

管制承認として、飛行経路・離陸後維持する高度・巡航高度などが無線で伝達され、パイロットがそれを復唱。復唱が確認されると、グランドと交信するよう指示されます。「次はこの部署と話して」と指示されるのです。

<成田グランド>

グランド・コントロールは、航空機が地上でタキシングしたり、移動するとき、それを指示する部門。地上なのでグラウンドと発音すべきところを、日本ではグランドで定着したのだそうです。

クリアランスデリバリに管制承認を受けてから、このグランドと交信すると、滑走路停止位置までの走行経路を指示されます。その後、成田タワーとの交信が指示され、離陸の許可を待つことになります。

関連記事

ページ上部へ戻る