スカイマークが業績回復で新入社員125人を採用
ワンマン社長の会社というのはトップダウンで運営ができるために動きが速く、果断な社長のもと急成長を遂げることがあります。
しかし、その半面ワンマン社長が前に進むことしか考えず、イケイケで自分の身の丈を勘違いした場合、空回りして空中分解することも。
2017年3月に破綻した旅行会社のてるみくらぶもそういう会社だった模様。また、航空会社のスカイマークも、ワンマン社長の性急な成長戦略が裏目に出て2015年に破綻しました。
破綻後の再生計画中だった2016年の新入社員はわずか4名。しかし、そんなスカイマークも2016年3月には再生計画を終了し、ワンマン体制から新社長の堅実な経営方針に移行してからは着実に業績を回復しています。
スカイマークは2017年4月3日、自社保有のボーイング737の機内で入社式を行いました。わずか4名だった昨年に対して、今年の新入社員は125人。会社の回復度がわかります。
この機内入社式、新入社員には知らされないまま離陸するというサプライズがありました。これは新入社員にも好評だったようで、彼らもこのサプライズで「航空会社」に入社したのだという実感をいっそう強くしたことでしょう。
さて、会社を破綻させた西久保前社長でしたが、そのワンマン経営は、悪いことばかりではありませんでした。
スカイマークは、レガシーキャリアに対抗するために格安路線を打ち出して成長した会社。LCCの登場で格安路線のお株は奪われてしまったものの、スカイマークは逆にLCCとは差別化をしようとしてきました。
特に注目すべきところは、安さのために快適性を犠牲にしたLCCの詰め込み式ではなく、機内の快適性を求めたところ。
日本のLCCのシートピッチ、つまり座席の前後の間隔は29インチ=約74cm。たいていの人は膝が前の座席についてしまうぐらいの狭さ。
それに対してスカイマークの機材のシートピッチは31インチ=約79cm。これはANAやJALなどと同じ。
わずか5cmの差と思われるかもしれません。しかし、実際座ってみたときの快適さはこの5cmの差で大きく違います。
また、スカイマークはネスレと提携しているため、便によっては無料コーヒーも提供されています。
もちろん料金はLCCのほうが安くはなるので、料金と快適さのどちらを取るのかという話にはなってきますが、国内線であればレガシーキャリアよりは安く、快適に利用できるのは間違いありません。
スカイマークがこうした乗客ファーストの経営を維持すれば、再上場される日も近いのではないでしょうか?