出発5分前に行うテイクオフ・ブリーフィングとは?

パネルセットアップがようやく終了したら、次はチェックリストを実施する必要があります。チェックリストは、正常な状態で、飛行機が次の状態に進めるようにパイロットを手助けしてくれるツールで、点検項目を一覧にしてある表です。この時は、エンジンスタートしても支障がない項目を点検することになります。

そして整備士から「コックピットさん、こちらグランド、5分前です」と、搭乗口と貨物口のドアを閉める5分前であることの連絡が来ます。

パイロットはこの連絡がくると、航空交通管制機関に対して無線を使って、提出したフライトプラン(飛行計画の事)のクリアランス(管制承認の事)を要求することになります。またエーカーズと呼ばれるデータ装置により、旅客の人数と貨物の重さから算出された飛行機の重さとバランスの情報がこの頃に送られてきます。

エーカーズを使って送られてきた飛行機の重さをCDUに入力すると、PFDの速度計にV1、Vr、V2が表示されます。ちなみにV1は離陸決定速度、Vrは機体の引き起こしをはじめる速度、V2は安全に上昇できる速度を意味しています。

操縦を担当するパイロットは、離陸速度が決定すると、テイクオフ・ブリーフィングを行います。これは離陸に関する打ち合わせです。内容は、緊急事態が生じた場合の意向、方針、対処方法、役割分担についてです。

例を挙げれば、V1以前に離陸を中止するときはどんな時かとか、その処置はどうやって行うか、V1以降に離陸するときはどのように対処するかなどを確認するのです。

関連記事

ページ上部へ戻る