もうこれで揺れなくなる?JAXAが「晴天乱気流」検知システムを開発

「当機は現在、気流の乱れたところを通過中です。お客様は席につき、安全ベルトを締めてください」

飛行機に乗っていると、時々こういうアナウンスが流れることがあります。気流が乱れたところを飛ぶときは、機体が左右にガクガク揺れてけっこう怖いもの。

乱気流とは、大雑把に言えば渦のような空気の流れができること。乱気流は航空機にとっては大敵で、国土交通省によれば、日本国内で起きた航空事故の半分は乱気流が原因になっているという非常に危険なもの。

乱気流は、なにも天候が悪いときだけに発生するものではありません。外は晴れているのに、上記のアナウンスが流れて機体が揺れたという経験はないでしょうか?

晴天時にも上空の空気の流れ次第で乱気流が発生することがあります。このような、晴天時に発生する乱気流は晴天乱気流といいます。

天候が悪いときに発生する乱気流は、ある程度予測できるそうです。ところが、晴天乱気流は、肉眼で視認できないばかりか、飛行機に搭載されている気象レーダーにも映らないということで、今までは予測のしようがありませんでした。

しかし、JAXA=宇宙航空研究開発機構は、これまで予測できなかった晴天乱気流を予測するシステムの技術を確立。

これはJAXAの航空技術部門が開発した「ドップラーライダー」というシステムで、飛行機に搭載した機械からレーザーを放射。放射した先の空気中の水滴、チリなどから反射される光を受信し、その波長の変化から乱気流を察知できるそう。

書いていても、ほぼ何を言ってるかわかりませんけが、とにかく電波を対象物に当て、その反射してくる電波から対象物までの距離などを探るレーダーの光版のようなものだと思えばいいのでしょう。

JAXAは、2012年にはドップラーライダーによる晴天乱気流の検知に成功していました。その技術が確立されたというのは、実験段階から実用段階に移ったということでしょう。

JAXAはさらに、乱気流の検知だけではなく、ドップラーライダーから得られた気象データと飛行機の自動制御装置を組み合わせ、乱気流を通過するときに揺れを軽減するシステムも開発するとしています。

これが現実に旅客機に実装されれば、もうガタガタ揺れるのに怯えなくてもよくなるかもしれません。

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