次世代航空燃料の実現はコスト削減が必須

航空機の燃料は、飛行機の実用化以来ずっと化石燃料由来でした。しかし産油国による産量調整や価格調整から二酸化炭素排出問題まで、様々な理由で化石燃料以外の次世代燃料の開発が求められています。航空業界は、2020年までに化石燃料を用いない「カーボンニュートラル」の実現を目標に掲げています。

ボーイング社は「エコデモンストレーター・プログラム」という環境に配慮した実験を行っていますが、その中でバイオ燃料「グリーンディーゼル」を航空燃料に混ぜた飛行実験なども行っています。

そのボーイング社も参加し、日本からはJAL、ANAなど航空業界はもちろんのこと、伊藤忠や住友商事などの商社から、東京大学なども参加し、2020年までに次世代航空機燃料の供給を開始してカーボンニュートラルを実現するための取り組みを行っているのが「次世代航空機燃料イニシアティブ」。面白いのは石油資源開発株式会社という化石燃料の開発を行っている会社も加わっているということですね。

次世代航空機燃料イニシアティブが実用化を目指している燃料の原料として挙げられているのは次の6つ

・都市ゴミ
・微細藻類
・天然油脂
・廃食用油
・非可食バイオマス
・木質系・草本系バイオマス

都市ゴミは生ごみからプラスチック、布や紙くず、木の枝や草など一般家庭から出る様々なゴミそのもの。これをガスやエタノールに生成することで燃料に転用。

微細藻類は、植物プランクトンなど微細な植物性生物で、藻類を培養してそこに含まれる「藻油」を抽出し、燃料として生成。

天然油脂は農作物や動物に含まれる油脂で、廃食用油は説明する必要はないでしょう。

非可食バイオマスは、例えば稲わらや野菜のつるや茎など食用には用いられない部分のセルロースを原料にするというもの。

木質系・草本系バイオマスは、間伐材や廃棄建材などの木材を原料とするもの。

目指す2020年までわずか4年弱。次世代航空機燃料イニシアティブは2019年までに試運転、2020年に実用化に向けた供給を始めるとしています。

しかし、これらの原料自体は、藻類と天然油脂を除けばゴミになるもので、調達コスト自体は抑えられるとはいっても、そこから航空燃料を生成するにはコストがかかります。これは実験段階では仕方がないとはいっても、実用化するためにはコスト削減が避けられません。

安定供給の確立とコスト削減により、化石燃料よりも低価格の供給が実現できなければ、次世代の燃料となるのは難しいと思われます。

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