これからのアジアの航空需要予測と問題点

アイルランドの航空機リース会社・CITエアロスペースは「CITエグゼクティブ・インサイツ」という報告書で今後の航空機の需要供給の将来的な展望を発表しました。

それによると、現在航空機の製造メーカーは、受注の減少を抑えて株価を維持することを目的に生産予定数よりも多い注文を受けているという状況なので、全体的な「座席数」が需要を上回って過剰供給になる可能性があるとのこと。

しかし、同時に中国を含めた東アジア地域ではまだまだ発注数が少なく、今後需要が増えて空の交通量が6%成長するという予測もあるために、短期的に見ると過剰になっても、長期的に見ると、現在の座席数の増大は2020年までのアジアの交通量増加率に沿っているものであるとしています。

今後注目されるのは、日本を始めアジア各国で業績を伸ばすLCC(格安航空会社)の動向です。LCC市場がアジアより早く発達して成熟しつつある欧米ではLCCのシェアはおよそ45%。それに対してアジア全体では20%程度であり、まだまだLCCのシェアが拡大していく余地があります。

LCCの便数が増えれば座席数の需要も増えるのは必至。現在まだ経済発展が遅れているミャンマー、ラオス、ネパールといった国々も経済的に発展し、富裕層が増えれば空の需要はさらに広がっていくことでしょう。つまり、現在作り過ぎに見える飛行機も将来的には逆に不足する可能性もあります。

現在でも相当に安いため、幅広い層に利用者が増えているLCCですが、市場の競争からさらにお手頃チケットが提供されるようになれば、飛行機を利用する人はもっと増えるでしょう。

ただ、受注数が多いというのは他にも理由があります。現在航空機業界では新技術がどんどん開発され、それを搭載した新型飛行機も開発されていますが、新型機の設計から各種テスト、飛行試験まで経て実際に航空会社の手に渡るのには数年かかるため、受注表には新しい注文がどんどん増えてそれが見かけ上「受注バブル」とも言われる過剰受注状態を生み出しているというのです。

「CITエグゼクティブ・インサイツ」は、アジアの航空業界に対し、欧米と比べて政治や国家イデオロギーなどの問題が航空業界の統合に障壁となっている点、座席数が規律によって補完されないと、航空会社は新たな飛行機に高額の資金をつぎこむことになるであろう点などに懸念を示しています。

ただ、チケットの価格が下がっていけば整備などの部分でコストダウンすることにつながります。実際破綻直前のJALは整備費をケチったために様々な問題を引き起こして信頼を失いました。

ひとたび事故が起きれば利用者が死亡する可能性が高い飛行機ですから、なんでもかんでも安くなって需要が増えればいいというものでもないのではないでしょうか?

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