過去15年間で200回を超える危険な着陸進入があったという事実

航空機の危険なタイミングや操縦による離陸や着陸について、ニュースなどで見聞きすることがあります。

航空機部品大手アメリカのハネウェル・インターナショナル社のデータ分析によれば、民間の航空会社による過去15年間のフライト約2,440万回のうち、着陸のための進入の際に警報装置が作動したケースが224件あったそうです。

航空機にはGPWS(Ground Proximity Warning System)という対地接近警報装置が装備されていて、操縦士の自覚なしに航空機が地上や地上付近の物体などに異常接近した場合にはGPWSが作動し、警報が鳴る仕組みとなっています。

航空機が滑走路に進入しようとする際に、衝突する可能性があると判断されると、「プルアップ、プルアップ(上昇しろ)」との警告音声が鳴ります。

これによって、パイロットは軌道修正するか、もしくは進入を中止して着陸をやり直すなどの対応を行います。

分析対象となった2,440万回というフライトのうち224回であれば、発生比率は0.0009%ほどの極々まれなケースとは言えます。

一部のフライトでは地上ギリギリで機体を上昇させていることもあるようですが、実際に衝突につながったフライトは皆無とのことです。

しかしながら、航空機事故の全体的な発生率が史上最低になっている昨今にもかかわらず、約200のフライトで警告が作動しているということは、パイロットの操縦ミスは完全に排除されていないことを示唆しているといえるでしょう。

また、大事に至らなかったとはいえ、この大半のフライトについては「操縦士からも航空管制官からも報告されていなかった」といいます。

国際定期航空操縦士協会連合会(IFALPA)の代表を務めるマーティン・チョーク氏は、パイロットの団体は「何年にもわたり、他の業界団体とともにたゆまぬ努力を続け、こういった事象によって生じる問題に対処している」とし、今回のような「重大事象の過小報告」に問題はあるものの、航空会社や規制当局による「懲罰的対応ないし無関心な態度」によって助長されているわけではとしています。

過去数十年で衝突の原因として最も多かったのは進入時の操縦や判断ミスだったそうですが、ハネウェル社が開発し、現在ではその他数社が製造している機上安全システムの恩恵もあり、近年先進国では特に操縦ミスによる事故が概ね排除されています。

今回のハネウェル社のデータは、危険な事象に関連する航空会社名はもとより、その事象が起きた空港も明らかにはされていません。

しかしながら、精緻な航法援助地上施設を有する先進国、つまり航空業が成熟した地域ではほぼ回避することが可能になっています。

逆説的にいえば、危険な着陸侵入の事象のほぼ全ては、このような施設などの恩恵を受けない空港などで発生しているとすることができるかもしれません。

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