航空業務の通信は、通信会社のサービス!?
ATISは「パイロット誰にでも言うこと」を放送し、管制官がしゃべる負担を減らしていますが、ジャンボ機のコックピット内にも、パイロットがしゃべる負担を減らす装置があります。
<ACARS>
エーカーズ、「ス」ではなく「ズ」だそうです。
automatic communications addressing and reporting sysytem。
空港や航空機に関しては、実に多くの電波が使われています。人と会話をしたり、近くに他の飛行機がいないか探したり、天気の変化を見たり・・・そういった電波の中には、航空専門の通信会社が取り扱いをしているものがあります。電話やインターネットの通信を、それ専門の通信会社が行っているのと同じようなもの。
そういった通信会社の一つが「ARINC(エアリンク)」で、ACARSなど航空に関する通信を得意中の得意とする会社。
ACARSは、空地デジタル・データ・リンク・システム。インターネットのかわりにVHFを使ったメールみたいなもの、と表現されることがあります。
言うまでもありませんが、航空機が飛ぶためには、航空機の周囲と多くの情報交換が必要です。
ACARSはこういった運航情報を、ARINCのサービスを通じて送信します。このデータがVHFで地上のACARS無線局に送信され、さらに無線局から中央の処理装置に伝送されます。そこからさらにARINCのシステムを通じて、各航空会社へ伝えられます。
ACARSで扱う情報は多岐にわたり、最新の気象情報やフライトプランデータ、航空機の故障情報なども可能です。
それもありますが、パイロットに重宝がられているのは、航空機に機上プリンターが設置されていて、プリントアウトできるから。コントロールスタンドの右隅の角にプリンターがあります。副操縦士席の側です。
空港と航空機の間で交わされる無線は、映画や報道で聞いているような、クリアな音声を常に維持しているわけではありません。
昔は聞き間違いしないようにアルファベットを伝えるコードを作ったり、あとは管制官とパイロットに耳での聞き取りに集中してもらうくらいしか、手段がありませんでした。伝達内容によっては、空港の担当者がジャンボ機のコックピットまでメモを持って出かけていき、パイロットに手渡ししていたこともあったそうです。
まずは「担当者がジャンボ機まで行って手渡し」をしなくてもよくなりました。パイロットも、管制官を話した内容をプリントアウトで再確認できるようになり、負担が減りました。
航空関連の通信サービスは他にも多くあり、「FIR」もその一つ。
<FIR>
Flight lnformation Region
飛行する航空機に対し各国で、航空交通管制業務、飛行援助業務、航務業務を行う空域で、ICAOにより指定されます。領空と公海上空を含んだ空域で、領空主権よりも円滑な航空交通を目指しての設定がされています。
2006年から、洋上管制業務が福岡の「航空交通管理センター」で実施されることになり、東京FIRと那覇FIR が統合されて福岡FIRになっています。