飛行機の出発準備開始と90秒ルール

出発準備をしている飛行機の周りでは、たくさんの車両を見ることができます。例えばコンテナ・ドーリーはコンテナを飛行機まで運ぶ車両。そのコンテナをハイリフト・ローダーと呼ばれる車両で、飛行機下部にある貨物室に搭載していきます。旅客の手荷物などは、同じ貨物室でも、機体後部の貨物室に収容されます。

機内食などのサービス用品は、旅客サービス車で機体最後部の左側のドア、または最前部の右側のドアから積みこまれます。燃料車は、翼下から補給を行います。それらの車両の作業が終われば、あとはプッシュバックを待つだけになります。

一方客室内では、パトロットを含むクルー全員で、ブリーフィングが行われます。安全のために、パイロットと整備士が情報共有するように、パイロットとそれ以外のクルーが情報共有するのも、安全で快適な、そして効率的なフライトには大切なのです。その内容は、飛行ルートから始まり、高度、所要時間などまでフライト全般に関することが主ですが、それ以外にも客室内の非常用装備品や、緊急事態用の対処法などの確認も行われます。

仮に機内で火災が起こった場合、90秒以内に機内から脱出しなければならないとされています(90秒ルール)。そのため機体のすべての出入り口には緊急脱出スライドが装備されています。緊急時に機体のドアを開けると、10秒以内に膨張して滑り降りることが可能になります。

旅客の搭乗が終わって、ドアが閉められると、「ドアモードをアームドポジション」という機内アナウンスがありますが、あれは各ドア担当のクルーに対して、脱出スライドのセットをするように指示を出しているのです。

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