旅客機の方向転換の方法とその仕組み

自動車の運転席の足元にブレーキペダルなどがあるのと似ていますが、ラダーペダルは、垂直尾翼についているラダー(方向舵)を動かすものです。左側のペダルを踏んで、ラダーを進行方向に向かって左に倒すと、旅客機の機首が左に向きます。逆にラダーを右に振ると、機首も右に向くというわけです。

でも、ラダーペダルの操作で機首の向きを変えるだけでは、機体全体が方向転換するのに、相当な時間がかかってしまいます。それをサポートするのが、主翼についているエルロン(補助翼)です。左右の主翼の後ろに取り付けられている動翼で、上下に動きます。

エルロンの作動は、操縦席の前にある操縦棹(コントロールホイール)の操作で行われます。飛行中に左に旋回したいときは、右主翼のエルロンを下げると、揚力の増加によって、右主翼が上に持ち上げられるのです。

この時、自動的に左主翼のエルロンが上に向くようになっていて、それによりこちらの揚力が減少して、左主翼が下がる仕組みになっているのです。

これで機体は左側に傾き、空中をスライドする形で移動していきます。

旅客機が方向転換する仕組みにはもう一つあって、水平尾翼に取り付けられているエレベーター(昇降舵)と呼ばれる動翼です。こちらは上下に動くもので、飛行中に、エレベーターを上に向ければ、機首が上ります。下に向ければ、機首が下がります。

機体を傾ける角度は「バンク角」と呼ばれます。バンク角が大きいと旋回は小さくなりますが、バンク角を大きくしすぎると機体に過重がかかりすぎて、失速の原因になります。

一方、戦闘機はバンク角90度の垂直旋回や背面飛行なども可能な構造になっています。航空ショーなどでアクロバット飛行が可能なのは、このためです。

旅客機もバンク角が60度以上になっても大丈夫な設計になってはいるのですが、運航上の規定で、実際のフライトでは30度程度まで、と、規定されています。

それに、もし乗っている旅客機に、垂直旋回や背面飛行をしてもらったとしても・・・、それでは乗客の皆さんがたいへんそうです。

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