サービスの有無、そして値段に出るLCCの差異

既存の航空会社のサービスは大体同じで、あまり大きな違いはないように感じます。しかし、LCCでは、各社それぞれの特徴を出して、他のLCCと差別化しています。そういうところで、利用者は自分の好みや自分が必要なサービスのあるLCCを選ぶことができ、細かな選択肢が増えたのではないでしょうか。

それでは2つのLCCをみてみたいと思います。

まずは韓国のLCC、エアプサンです。LCCは、何でも自分でが基本で、チェックインも、自動チェックイン機で自分でやると思い込みがちですが、エアプサンは少し違います。既存の航空会社と同じように、カウンターで搭乗手続きを行っているのです。

カウンターの数は多くないのですが、係員がちゃんと誘導してくれているため、カウンター前が混乱することもありません。さらに、LCCは個人客向けの印象がありますが、団体専用のカウンターもあります。ここまでは大手航空会社とあまり変わらない感じがします。

それでは座席はどうでしょうか。使用機体はエアバスA321-200で、最大220人まで乗れるところ、エアプサンの座席数は191~195席だそうです。LCCの座席は狭いといいますが、エアプサンの座席は、前の席の背もたれと座席との間は26cmで、シートの幅は、場所によって異なりますが45~49cmです。

この寸法だと、座っていても、特に狭いという感じはしないのではないでしょうか。

次に、機内食についてです。

一般的にLCCでは、機内食やドリンクが有料というケースがほとんどです。しかしエアプサンは、機内食もドリンクも無料で、大手アメリカ系の航空会社でも有料のビールまで無料なのです。

そして飛行機を降りてからの荷物の受け取りも、既存の航空会社と同じように、ターンテーブルが使われます。

次に、日本のLCC、ピーチについて、詳しくみてみたいと思います。

ピーチのカウンターは、ターミナルの片隅にカバーがかかった自動チェックイン機らしきものと手続きカウンターらしきものがあり、時間になると(搭乗手続きは出発の90分前から)チェックインカウンターが設置され、搭乗手続きが始まります。自動チェックイン機で手続きをし、手荷物を預けます。

預ける荷物はANAの手荷物受付まで自分で運び(福岡空港の場合)、セキュリティチェックを受けて預けます。LCCの基本、何でも自分で、がここでは実感されます。

搭乗時間が近づくと、ピーチの係員が搭乗の準備をはじめ、機内に誘導してくれます。機内への誘導は、まずは窓側の乗客、次に通路側の乗客、最後に真ん中の乗客と順番に案内していきます。

これなら通路側の乗客が何度も立ったり座ったりする必要がない分、通路がごった返し搭乗にかかる時間を軽減できます。1つの機体を何度も飛ばすため、ちょっとした遅れが大きく影響するので、効率のよい搭乗が実現されているのですね。何でも自分で、ではなく、必要な「手助け」は惜しみなく行っています。

機材はA320の180席で、座席間隔は、前の背もたれと座席との間は21cm、座席幅は49cmです。普通の体格であれば、そう狭くは感じないと思いますが、からだの大きな人だと狭いと感じる人が多いかもしれません。しかし、シートは革張りで、座りごこち自体は悪くはありません。

では機内食はどうでしょうか。

例えば、ピーチデニッシュは人気ナンバーワンだそうで、また、夏の新メニューのイタリアンフォカッチャ、ビーフカレー、ビビンバ、サンドイッチ、カップヌードル、デザート、スナック菓子やコーヒーなど、メニューから選びます。

フォカッチャは550円、ピーチデニッシュは300円ですが、ドリンクとのセットで、それぞれ700円と450円になります。

目的地に到着すると、飛行機に外付けされたスロープを降りてバスに乗ります。そのバスはターミナルを通り越して、ターミナルの外にある団体バスの停留所に到着します。

そして、普通なら荷物はターミナル内にある手荷物引き渡し所のターンテーブルで受け取るものですが、トラックから荷物が降ろされ、待ち時間なしでそこで荷物を受け取ることができます。

運賃が安いため、LCCだし・・・、と期待しないで乗ると、意外とサービスがよいLCCもあります。飛行機に乗るにあたり、自分にとって何が重要で、どのサービスがなくても大丈夫か、などを鑑みてLCCを選択してみてはいかがでしょうか。

関連記事

ページ上部へ戻る