旅客機が降下開始予定時刻になったら最初にすること

ロサンゼルス国際空港へ降下開始の予定時間になったら、「ロサンゼルス・センター」に降下の許可をリクエスト。どこまで降下したら合理的か、センターが高度を連絡してくれます。

コックピットの正面、窓のすぐ下に、グレア・シールド・パネルがあります。オートフライトのすぐ上にある横長のパネルで、中央に「モード・コントロール・パネル」があります。

<FLCH 高度あわせ>

たとえばセンターに14000フィートまで降下してよいと言われたら、その高度に合わせます。高度あわせが出来るのは、モード・コントロール・パネルの「FLCH(フライトレベル・チェンジ)」です。

モード・コントロール・パネルの左半分の中央に、正方形が縦に三つ並んでいます。その一番下がFLCHです。

もちろんジャンボ機の高度変更は、FLCHひとつきりで行っているわけではありません。別の手段を好むパイロットもいるのですが、あくまで好みだそうで「管制からの速度指定を受けた場合は、基本的にこれでいい」そうです。

<ALT 現在の高度>

ジャンボ機の高度は、モード・コントロール・パネルの中央、そのすぐ右上に「ALT」と名前の書かれた枠があり、そこの数字です。

ALTの文字の下に表示されているのが今の高度で、この時点では39000くらい。FLCHでロサンゼルス・センターが言っていた14000に切り替えると、スラスト・レバーが自動で後方に動き、エンジンの推力が減少します。

これによってジャンボ機は機首を下げ、ここから降下飛行を始めます。

<IAS/MACH 現在の速度>

速度はFLCHの縦の列の左隣に、「IAS/MACH」と名前の書かれた枠があります。これが速度計。間もなく、ロサンゼルス・センターが「ロサンゼルス・アプローチ」と交信を開始するように言ってきます。

ロサンゼルス・アプローチは、着陸すべき滑走路の番号や、そのために機体を旋回させる方向、機首の角度なども教えてくれます。この旋回と機首の角度は、アプローチに言われたとおりをセットすれば、自動操縦で行うことができます。

アプローチが必要な旋回や角度を教えてくれるのは、一回限りではありません。その後も何度もくり返し、滑走路に着陸するまで、「ここで旋回」「機首の角度はこれくらい」「高度はこれくらい落として」と指示を続けます。

日本の地方空港の一本きりのまっすぐな滑走路なら、こういったことは必要ありません。あっちから来て、こっちの滑走路に向かっていって、まっすぐ進入すれば、おかしな速度や角度をつけない限り、一直線に進めば着陸できます。

一方、ロスの空港では、アプローチの指示に従って、何度も機首の方向を変え、旋回飛行を行い、高度を下げていかなければ、うまく着陸できません。

なぜ、地方空港の滑走路への進入は、あっちからこっちへ一直線なのか。なぜ、ロスの空港では、何度も方向転換しないと、滑走路にたどり着けないのか。

これは、空港が大きい小さいの問題だけではありません。ジャンボ機が空港に着陸する方法が2種類あるからです。

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