長い滑走路・・・着陸するために必要な距離とは?

着陸距離とは、着陸面上15m(50フィート)の高度から、接地して完全に飛行機が停止するまでの水平距離のことを指しています。また、着陸面上とは、滑走路を有効に使うための滑走路末端であるスレッシュホールドを指しています。

旅客機などの輸送機が、離陸の際に滑走路末端を通過するときに必要とされている高度は10.7m(35フィート)です。ちなみに、輸送機以外の小型機の場合は、離陸時も着陸時も滑走路末端を15m(50フィート)の高度で通過することとされています。

大型輸送機、特にジェット旅客機の場合は、小型機と比較して離陸の性能があまりよくないため、離陸時のみ15m(50フィート)の70%にあたる10.7m(35フィート)と定められたようです。

着陸距離を測るために使われている制動装置とは、スポイラーと車輪ブレーキの組合せであり、エンジンの逆噴射は行わないこととされています。

それは、エンジン故障が発生した場合に滑走路上を直進する制御が難しくなり、使用できなくなってしまう恐れがあるからです。また、離陸の際に、実際の距離より余裕のある必要離陸距離を設定していたのと同様に、着陸の際にも実際の距離を1.67倍した距離を着陸に必要な距離と設定しています。

ちなみに着陸距離は、VREFの速度だけではなく、滑走路の状態によっても変わってきます。例えば雨天時などの滑走路が濡れている状況では、機体が停止するまでの距離は通常の場合よりも長くなります。

また、積雪などの影響で滑走路が滑りやすい状態になっている場合には、さらに長い距離が必要となります。着陸に必要な距離が滑走路より長くなってしまうようなケースでは、着陸重量を制限して対応することもあります。

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