日本の航空会社がそろって予定時間到着率でランクダウン!?巻き返しは?

世界の航空情報を収集・提供しているアメリカのフライトスタッツ社は毎年「On-Time Performance Awards」という賞を定めています。

これは、到着ゲートに予定時間の15分以内に到着できた率、要するにどれだけ定時からずれずに到着できたかの率を算出し、そのランキングを割り出すというもの。

2015年初頭に発表された2014年版では、日本航空が「アジア・パシフィック地区のメジャー航空会社」部門で1位となり、自社webサイトでも報告をしていたわけですが、そこで「よくやった」と喜ぶわけにもいきません。

なぜなら、日本航空は2012年、2013年に全世界で1位をとっていたにもかかわらず、今回は世界4位に落ちてしまったから。

一方全日空は2012年は世界2位で日本航空とワンツーフィニッシュでしたが、2013年には世界3位となり、2014年版ではアジア・パシフィック地区で3位、世界全体では6位にまで落ちてしまいました。

ちなみに全世界で5位はサウジアラビアのサウディア航空、3位はスペインのイベリア航空、2位は北欧のスカンジナビア航空、そして1位はKLMオランダ航空でした。

とはいえ、15分以内での到着率は1位のKLMオランダ航空が88.66%、4位のJALが87.78%、ANAが86.53%と僅差といっていいレベルなので、かなり優秀であるというのは間違いありません。今後の巻き返しは十分可能でしょう。

また、割合というのは母数が大きくなれば低くなるのが当然の事で、年間44万517便を飛ばしたANAが86.53%なのはむしろ立派だと言っていいでしょう。ちなみに世界10位に入った航空会社でANAより多い年間便数だったのは、7位のルフトハンザ航空のみで、54万342便でした。

フライトスタッツ社のランキングはメジャー航空会社だけが対象になっていますが、LCCも加えるとどうなるのでしょうか?

日本国内のLCCも含めた定時到着率のデータは探し出せなかったので、それに近いデータを探すと、国土交通省が定時運航率の統計をまとめていました。これは逆に、出発予定時刻の15分以内に出発できた割合です。

平成26年度(平成26年4月~平成27年3月)の順位を見ていくと、1位は日本航空の93.04%、2位は全日空の92.45%、そして3位にはLCCの春秋航空日本が入ってきて91.37%、4位はスターフライヤーの90.85%、5位がバニラ・エアの90.27%でした。そしてダントツの最下位はピーチ・アビエーションの78.17%となっています。

この中で注目なのはバニラ・エア。バニラ・エアは前年度の年間定時運航率73.10%からの急上昇です。しかも、平成26年4月~6月期のみの数字で見ると95.98%という圧倒的な数字をたたき出しており、3ヶ月ごとの定時到着率の中では95%以上だったのはバニラ・エアただ一社でした。

もっとも、バニラ・エアは便数が少ないので、割合という観点で見るとJALやANAよりはアベレージを高くしやすいという面はあると思います。そういう意味では便数が多いのに90%以上を出しているJAL、ANAは、ともにさすがの貫禄ではないでしょうか?

しかし、それでもはやり1年間で急激に運行率を上げられたのは、企業努力のなせる技であると思います。

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