着陸はILSとPFDと、パイロットの判断で行うもの

それまで問題なく快適なフライトであったとしても、ラストの着陸でガツンとやってしまっては台無しです。乗客にとって、着陸寸前、ひどく驚いたことだけが記憶に残るフライトとなることでしょう。

<ILS>

スムーズな着陸の主な手がかりになるのは、空港や飛行場に設置されているILS(Instrument Landing System)、電波で空港を測定・監視し、ジャンボ機の着陸に必要な進入方向、降下経路、滑走路までの距離などを測定してくれます。

さらに、着陸進入する航空機に対して電波を発射し、必要な情報を伝えてくれる他、誘導電波も出してくれるので、視界が悪くても安全に滑走路に着陸できます。

ILSの要素は3つあります。いずれも着陸には欠かせないデータです。

・ローカライザ(LLZ)  進入方向、つまり横位置を示します。
・グライドパス(GP)   降下経路、高さを示すので縦位置です。
・マーカービーコン(MB) 滑走路までの距離を示します。

この3点のデータにもとづいて、適切な行動を判断し着陸することになりますが、電波による情報交換は絶対ではありません。

毎日必ず時間合わせをしてくれる電波時計がありますが、たまにうまく電波が拾えなくて、おかしな時間になっていることがあります。電波時計が受けるべき電波を受けられなかったとき、それを判断できるのは人間だけです。ILSも同じです。

<PFDとND>

ジャンボ機の方では、ILSだけでなく、PFD(Primary Flight Display)全体を見ながら行動することになります。

PFDは同じものが二つあり、コックピットの左右に配置。機長席、副操縦士席、それぞれのほぼ正面にあります。

配置で言うと、コックピットの前方、窓のすぐ下がグレアシールド・パネルです。パネル中央にはオートフライト、さらにその下がEICAS。EICASの左右にナビゲーション・ディスプレイ(ND)が一つずつあります。

NDはいわゆるカーナビに相当するといわれるもので、操縦している旅客機のフライトプラン、風向、風速に関する情報が表示されるものです。

PFDが配置されているのは、そのNDの左右です。左のNDの左、右のNDの右。確認できることは機首の上げ下げ、傾斜角、高度計の気圧補正値、速度、高度、昇降率。ILSを確認できるのもここです。

ILSがあるにしても、滑走路があまりに見えづらいとか、滑走路に車輪がついたときヘンな感触や予感がしたら、その時も無理な着陸は禁物、中止した方がいいでしょう。ゴーアラウンドでいったん滑走路から離脱し、あらためて滑走路の安全を確認します。そのあと最初から着陸をやり直しても、全く遅くはありません。

ILSとアプローチに頼めることは、すべて頼んで、やってもらいます。ですが、ILSのデータとアプローチの水先案内を受けた上で、自分の目と耳、すべての感覚で滑走路の状況を観察し「着陸に適している」と最終判断を下すのは、パイロットの仕事です。

着陸の基本中の基本、「ダメだったら中止⇒やり直し」は同じです。

関連記事

おすすめ記事

ページ上部へ戻る