他の飛行機や近くの地面にぶつからないテクノロジー

安全なフライトに必要なことの一つが、当然ながら「他の物にぶつからない」ことなのですが、航空機ではこれが意外と困難。

たとえば、他の飛行機。

あんな大きい飛行機が、コックピットから見えないわけがない。そう考える人がいますが、飛行機はとても速いので、できればお互いの姿が見えないくらい、距離をあけて飛んでいたほうが安全です。

フライト中、やはりフライト中の他の飛行機とすれ違うと、

あ、黒い点が見えた。

と思った次の瞬間、急速に相手の飛行機の姿が拡大して、ものすごいスピードで横を通り過ぎていって、見慣れているはずのベテラン機長でも怖いそうです。

でも、その飛行機は特に急いで飛んでいったわけではありません。それが普通。飛行機より遅い新幹線同士が、隣り合った線路で逆向きにすれ違うときとは、全く違う感覚なのです。

その他に、意外な曲者が「地面」

地面は大きくて広いのだから、窓さえあれば見逃すわけがないと思いがちですが、見えていないというより、地形や気象条件などが理由で、そこまでの「距離」を見失うことはありえます。

市街地を走っている車と、空を飛んでいる飛行機とでは、速度が全く違います。地面の車と空の飛行機が同じ方向に走ったら、すぐに車は追い越されてしまいます。

飛行機はそれくらい速い動きをしている乗り物ですから、車で進むときのように「手前に山が見えてきたなあ、高い山だなあ」とはなりません。

さっきまで「そこの山の斜面とは、これくらい距離があいているから問題ない」と思って飛んでいたとしても、ほんの一瞬の操作で一気に距離が変化し、危険な距離まで接近してしまうことがあります。

こういったパイロットの負担を少しでも減らせるよう、さまざまな装置が開発されています。

<TCAS>

Traffic alert and Collision Avoidance System。「近くにいる他の航空機に近づきすぎています。このままでは空中衝突しますよ」と警告するものです。

地上の航空管制システムには依存しません。TCASだけで独立し、管制とは別に動いています。

TCASを搭載した航空機は、お互いに特定の周波数で連絡を取り合います。

連絡を取り合うのは毎秒数回、周辺にいるすべての航空機の高度や速度、相対的な位置がわかりますから、それにもとづいてTCASが立体地図を作成。

TCASはその立体地図に書かれた航空機の位置関係から動きを予想して、お互いにぶつかりそうな航空機に警告を出すことができます。ジャンボ機のコックピットでは、TCASの警告が出たら、すぐディスプレイで確認と対応ができるようになっています。

たまに誤警告があるそうですが、念のためTCAS優先とされているそうです。

<GPWS>

Ground Proximity Warning System。「知らない間に、山や地面に近づきすぎています。ぶつかってしまいますよ」と警告するもの。航空機が不用意に地面と接近しすぎたとき、電波高度計で感知して、音声で警告する装置です。

最近は「強化型(Enhanced-GPWS)」があるそうで、山の地形などをデータベースとして内蔵しているそうです。より早く航空機の前方にある地形を予測し、そこまでの距離の変化が危険なものだったら、すぐ警告を発します。

関連記事

おすすめ記事

ページ上部へ戻る