JALとANAが座席の快適さを競う時代へ突入

飛行機のエコノミークラス、または普通席というのは狭いもので、シートとシートの間の距離をあらわす「シートピッチ」は一般的におよそ79cmとなっています。およそ79cmと半端な数字になるのは、本来インチで決まっているものをセンチメートルに直したからです。

LCCの70cmよりはだいぶましとはいっても、79cmでも背もたれは目前に迫って圧迫感があります。狭いところが苦手な人には辛いでしょう。

そんな圧迫感を解消するため、JALの国内線普通席には2014年に「JAL SKY NEXT」という新しいシートが導入されました。これは、背もたれの部分を従来型よりも5cm薄くしたことにより、シートピッチを広くしたものです。導入から1年以上たった2015年6月現在でも全ての便に導入されたわけではありませんが、「JAL SKY NEXT」対応便も順次増えているようです。

それに遅れること約1年、今度はANAが新しい普通席のシートを導入しました。これは、主に自動車の内装品などを製造しているトヨタ紡織と共同開発したものです。

ANAでは既に、普通席に背もたれをスリムにしたシートを使用していましたが、従来型と新シートを画像上で見比べて見ると、従来型が座面がほぼ平らなのに対し、新シートは先端が厚めで、奥が少し低くなっている感じで、深く座れそうに見えます。

座面の床からの高さは従来型よりも5cm低くしてあるとのことで、足が短い人にはありがたい改良です。ただ、ANAによれば座面のクッションを固めにすることで、高さを低くしても背が高い乗客にも座りやすくしてあるとのことですが、足が長い人にはつらいかもしれません。

JALが薄型空間確保シートを導入すれば、ANAはさらにその上をいく座り心地のよさを追求したシートを導入してきました。こうした搭乗時の快適さを改善していくような競争は乗客にとってはとてもありがたいもので、LCCとの差別化にもつながると思われますので、どんどんやってほしいものです。

関連記事

ページ上部へ戻る