旅客機内の座席のアルファベットの秘密と法則

飛行機の座席番号は、横の列のアルファベットと、縦の列の数字を組み合わせ、A39とかF18のように表示されます。アルファベットは進行方向に向かって左よりAから、数字は機首側が若く、後ろに行くほど大きくなります。普段あまり飛行機に乗られない方でも、これは知っておいたほうが便利です。

では、座席番号のアルファベットに「I」の文字がないというのはご存知でしょうか。

たとえば、ボーイング747-400のエコノミークラスで一般的な、「3-4-3」という座席配置の場合、各席のアルファベットは「ABC-DEFG-HIJ」ではなく、最後の3席が「HJK」となっています。

この「I抜きルール」は、世界共通に用いられており、理由もいたってシンプルです。要は数字の「1」とアルファベットの「I」が似ていることから、紛らわしい表記を避けるためです。これは、よく飛行機を利用する人には、案外知られていることかもしれません。

では、「I以外にもアルファベットが抜けることがある」というルールはいかがでしょうか。

「マレーシア航空」のボーイング747-400の、ゴールデンクラブクラスは、2-3-2の座席配置だが、アルファベットの並びは「AC-DEG-HK」と、「I」どころか「B、F、J」も抜けています。実際に乗ってみればわかるのですが、これと座席位置が同じである「ルフトハンザドイツ航空」のボーイング747-400のビジネスクラスも、同様なアルファベットの割り振りとなっています。

また、「日本航空」のボーイング777-300では、エコノミークラスが3-3-3の配置で、アルファベットは「ABC-DEG-HJK」となり、小型機のボーイング737-400は通路1本の3-3配置で「ABC-HJK」です。

さて、いくつか例をあげてみましたが、最後に「窓側と通路側に注目」というヒントを出して答え合わせといきましょう。

アルファベットの「AとK」は常に窓側で、左と右に位置しています。さらにCとG」は常に通路側で、しかも右に通路が、「DとH」は逆に左に通路がくる位置にあります。そう、つまりこの法則は、窓側と通路側の位置がわかるうえに、自分のどちら側に窓や通路があるかわかるというものなのです。

このルールは、「日本航空」ほか、「ルフトハンザドイツ航空」「ヴァージンアトランティック航空」「シンガポール航空」など、世界各国の多くの航空会社で採用されています。とはいえ、「タイ国際航空」ほか、「全日空」「大韓航空」「ノースウエスト航空」などでは、このルールは用いられておらず、単純に端からアルファベットが割り振られています。また同じ航空会社であっても、機種や座席の配列によって法則が適用されていないこともあります。

たとえば、「日本航空」のDC-10は2-5-2配置ながら、「AB-CDEFG-HK」と、Bが通路側にきます。これはアルファベットを「K」までしか用いない、というルールから起こることで、最初の2列をACにすると、結局最後はJKとなってしまうからです。

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