飛行機の推力の設定はどうやるの?

ジェットエンジンの推力がどうやって決定するのか。

ジェットエンジンは、エンジン内に取り込んだ空気を圧縮、燃焼させて前進させる仕組みです。そのため、取り込む空気の状態が意外に重要。

自動車の場合、夏場にオーバーヒートしやすいのと同様に、外気温が高い場合は、ジェットエンジンがオーバーヒートしやすいので、それを防止する策を講じる必要があります。さらに気圧が高い場合は、内部圧力が高くなりすぎて、エンジンの強度に深刻な事態を生じさせる危険があり、こちらも対策が必要。

1回しか飛行しないのならば、それほど深刻に考える必要はないかもしれませんが、何度も使用するのが前提ですので、エンジンの寿命を延ばすために、気温と気圧の状態によっては、出力を抑えなければならないのです。

一番、気温と気圧で制限される推力は、離陸推力かゴーアラウンド推力だと思います。両者ともエンジンを相当酷使しますから、使用制限があり、概ね5~10分が限界。次に制限されるのが緊急時用の推力である最大連続推力です。連続という名前が示す通り時間制限がなく、連続して使う推力です。そして、上昇時に使用する推力が最大上昇推力。

ちなみに、このように一定の条件下で使用できる推力を、定格推力と呼びます。黎明期のジェット機は、定格推力を計算し、レバーを手動で動かしていましたが、現在はコンピューターの発達により、自動で行ってくれます。

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