航空機のエンジンはコレ!ジャンボ機のエンジンはターボファンエンジン
現代の航空機は、ガスタービン・エンジンが主流。機種によっては導入がわりと最近だったり、例外的な機種もありますが「基本的にはガスタービン」と考えてよい状況のようです。
ガスタービンは名前のとおり、高温のガスでタービンを回し、回転運動を得る内燃機関です。
古くは西暦150年、すでにガスタービンの元祖みたいなものがあったそう。西暦1500年ごろ、レオナルド・ダビンチがそれと似たり寄ったりのものをつくっています。火を燃やしている上に羽根車を置いておくと、火で熱くなって上昇した空気で、羽根車が回ります。
これがタービンの基本。
高温になった空気の上昇エネルギーが、ちょっとした装置で、羽根車が回転する原動力になるのです。このダビンチのやったことを発展させ、到達したのがガスタービン・エンジン。特徴は、エンジン自体の重量や体積の割に高出力が得られること。軽量型と重構造型の2種類があり、航空機に使われているのは軽量型です。
<ターボジェットエンジン>
ジェットエンジンの基本形。吸入した空気をコンプレッサーで圧縮し、燃料と混合して点火すると爆発します。その爆発によって生じる排気の強い勢いが推進力になります。推進力の一部はコンプレッサーの駆動に還元します。
高速の排気ガスを噴出させて推力を得るため,音速以上の飛行に適しているのですが、音速以下では燃費効率などがよくありません。
<ターボプロップエンジン>
ターボジェットエンジンの欠点を解決しようと考え出されたのが、ターボプロップエンジン。空気取入口(エア・インテイク)・圧縮機・燃焼室・タービン・排気口で構成され、プロペラがついています。
タービンから得た出力の一部はコンプレッサーの駆動に使われるのですが、このエンジンでは同時にプロペラの駆動にも出力を使います。プロペラの速度が音速を出すと衝撃波が発生し、効率が低下するのが問題点です。
<ターボファンエンジン>
ターボプロップエンジンの問題点を解消しようと開発されたのがターボファンエンジンで、ターボジェットのコンプレッサーの前部にファンを追加したものです。ファンとコンプレッサーが同じくタービンと同軸になっていて、タービン出力によって駆動可能。
ターボプロップエンジンについていたプロペラに代えて、より小さなプロペラをつけ、それにファンの名前をつけたような感じで、実用化は1960年代から。現代のジェットエンジンの主流となっています。
<ターボシャフトエンジン>
現在のヘリコプターに使われているエンジンです。
ジェットエンジンは排気の勢いで航空機に推進力をつけて、その力で航空機を飛ばしていることになりますが、ターボシャフトエンジンが排気の勢いですることは、「軸を回すこと」です。
軸を回すといっても、ヘリコプターが離着陸して飛び回れるだけのパワーを持った回転です。
概要としては、昔とそれほど変わってはいません。しかし、日々確実に進化を遂げ、先が楽しみなのが航空機のエンジンの姿です。