飛行機が空中で燃料を捨てる場合とは?

飛行機にとって、着陸するときの機体の重さはとても重要です。例えば国内線の場合は、機体の故障や急病人の発生などの何らかの理由で出発空港に引き返すことになった際に、離陸したときのそのままの重さで着陸を行うことができますが、これが国際線になるとそうはいきません。

国際線、特に遠距離国際線のように搭載燃料が多い場合には、離陸時の機体はとても重く、そのままでは着陸が可能な重さの最大値を超えてしまうのです。

例として、ボーイングB777-300ERの場合、最大離陸重量は352トンであるのに対し、最大着陸重量は252トンとされており、その差は100トンにもなります。よって、離陸重量352トンで離陸したのち、何らかの理由ですぐに引き返し、着陸しなければならなくなった場合には、100トン分を減らし、最大着陸重量の252トンにまで重量を下げなければいけないのです。

では、そのような場合にはどうするのでしょうか。飛行機が空中で減量するただひとつの方法は、搭載している燃料を捨ててしまうことです。燃料放出は空港に着陸できることが確実と判断されたのち、原野や海上で実施されます。

このとき、燃料は燃料タンク内のポンプを通じて翼端から放出されますが、それにはかなりの時間を要します。例えば、毎分0.5トンの能力をもつポンプを4つ同時に稼働させて放出する場合、100トン分の燃料を放出するのには50分必要という計算になります。しかし実際には、この間にもエンジンが消費する分がありますので、100トン分を減らすための所要時間はもう少し短くなります。

ただし、実際には緊急事態のケースで最大着陸重量を超えて着陸したとしても、飛行機の強度上は問題はない設計になっています。しかし、できる限り軽い状態で着陸した方が、リスクは低くなります。例として、離陸後に複数のタイヤがパンクしてしまったというような状況においては、飛行機はできる限り軽い状態、極端にいえばほとんど燃料が残っていない状態で着陸する方が、火災発生等のリスクの軽減ができるためです。

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