旅客機の格納庫は野球ができるほど広い!?

航空機を整備する場所には、さまざまな種類があります。

機体を収容し整備する格納庫(ハンガー)。エンジンを整備する原動機工場と試運転場。搭載している計器類など装備品を整備する装備工場。ここで行われる仕事を管理するスタッフのために、事務をする事務所も必要です。

各航空会社は空港の近くにこうした施設を設けます。

このようにいろいろな種類の工場があるなかでも、最も規模が大きいのは格納庫。日本航空が成田新国際空港に建設した格納庫は、間口190メートル、奥行き90メートル、高さ45メートル。付属棟を含めると、4万平方メートルを超えます。

ジャンボ機2機とDC-8型1機を同時に収容できる大きさですから、想像するだけもたいへんな広さの大工場です。羽田空港に全日空のメンテナンスセンターがあるのですが、こちらは、東京ドームの1.5倍の広さ。つまり、面積だけで考えるなら「格納庫でプロ野球の試合ができる」ということになります。1.5倍ですから「試合を観戦するお客さんも呼べる」というわけです。

実際の格納庫での作業は、次のようになります。

点検・整備のためにジャンボ機が格納庫に入ると、整備用の作業台が、機体の上下左右、周囲を包むように組まれていきます。ビルや住宅を建てるときには、建物のあちこちに人の手が届かないと、仕事になりませんから、足場を組みます。航空機の整備でも、全く同じようにするのです。

ほかに、空港によっては、格納庫の中ならどこでも、ボタンひとつで自由自在に作業台を移動できる、ハイテク・システムを導入しているところがあります。どの位置にどのように機体を置き、足場をどう組むか、コンピュータが計算して、整備の手順を作成してくれるのです。

整備は膨大な作業ですから、そのすべてを効率よく作業できるように、適切な足場を組むのは並大抵のことではありません。作業にとりかかってから「やってはみたけど、どうも効率が悪いから、
足場を組みなおして、作業の順番も変更しようか」とか、やってるわけにはいかないのです。それでは大変なことになってしまいます。

機体の内部と外部について、くまなく構造の検査と整備が行われます。翼については、本体の亀裂や損傷を探して補修し、表面が劣化してないか、いたみすぎていないかも調べます。他にも数多くの機器や部品を検査し、補修をします。旅客機丸ごとですから、どんなに優れた整備士が大勢で取りかかっても、何日も、時には数週間の時間がかかるものです。

整備には、運航を5~10日間中止して行なう「C整備」、3~4週間かけて整備を行なう「D整備」などがあります。機体をクリーニングして、さび止めをして、塗装する。そういった外装のリフレッシュも、ここでの作業となります。

エンジンや装備品は、取り外して別の工場で点検、整備されます。それ専用の工場があるのです。

すベての整備が終わったら、作業台に使っていた足場を解体・撤去して、作業完了となります。整備を終えた格納庫から、別の場所へと、機体が移動されていくのです。

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