飛行機機内への液体持ちこみ制限のホントのところ

飛行機に乗る時に液体の持ち込み制限があることはみなさんよくご存知だと思います。機内に持ち込める液体は100ml以下で、透明のジッパー付き袋に入れることが定められています。これはもちろんテロ対策のため。

意外と2001年の911同時多発テロの影響と思っている人が多いようですが、そうではなく、実際にはその5年後の2006年、イギリスで起きたテロ未遂事件が影響しています。これは、テロリストがペットボトルに液体爆発物を入れて機内に持ち込もうとしたところ、未然に防がれたというもので、これ以来機内への液体の持ち込みが制限されるようになりました。

100ml以下という制限の根拠は、100ml以下であれば、仮に内容物が爆発物であっても、飛行機の運行に影響を与えるほどの威力は出せないからということのよう。この「液体」は、我々がイメージするような意味での液体状の飲み物など以外に、歯磨きやジェル状の化粧品、スプレーも含まれます。

また、一見固体でも人間の体温程度で融けるバターは液体とみなされるので100ml以上は持ち込みできません。例えば北海道や海外の酪農が盛んな国でおいしいバターを購入したけれど、機内持ち込み荷物に入れて持ち帰りたいという場合は、100ml以下に切り分け、切り分けた塊ごとにそれぞれ透明袋やタッパーに入れた上で透明袋にしまっておけば持ち込めます。

面倒に思う人もいるかもしれません。しかし、これは飛行機の安全を守るための措置の一つで、また自分自身の安全を守るためでもありますから仕方ありません。「自分はテロリストではないから」などというわがままをいちいち聞いていたら安全は保てないですから、自分だけ特別扱いしろなどというような幼稚な要求はやめましょう。

ただし、以上の制限は全て保安検査場の外から持ち込む場合のこと。国内線でも国際線でも、保安検査場を通り過ぎた出発ロビーなどにあるショップで購入したものであれば、制限にかかわらず液体を持ち込めます(当然航空会社の持ち込み荷物制限内に限りますが)。出発ロビーで売っているペットボトル飲料などはすでに厳密なチェックを受け、安全が保証された上で売られているものだからです。

一般航空会社であれば、国内線でも国際線でも無料ドリンクサービスがあります。配布されるのを待たなくても、安定飛行中であればCAにお願いすれば持ってきてくれます。だから、無理に機内に飲み物を持ち込む必要もないといえますが、体調によって水分を確保しておきたいという場合は購入して持ち込むのもいいでしょう。

LCCの場合はドリンクも有料になるので、機内のお高いドリンクを買いたくないというときはあらかじめ買っておくのがおすすめです。

一つだけ注意しなくてはいけないのは、いくら出発ロビーで買ったものとはいっても、アルコール類は持ち込み自体はできても、持ち込んだものを飲むことはできない会社もあるということです。お酒を飲みたかったら、機内サービスのものを貰うなり買うなりしましょう。

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